ボートレースのプロペラってどんなもの?

ボートレースのプロペラってどんなもの?

選手のコメント欄を読むと「プロペラの調整が~」って出てくるのでプロペラについてまとめてみました。

ボートレースのプロペラとは

プロペラの重要性!

同じモーターであってもプロペラの形が1ミリ変わっただけで、レース結果が全然変わってしまいます。

(出足)加速が良くなったり、(伸び足)最高速度が速くなったり、コーナーが回りやすくなったり、選手それぞれ自分の好みに仕上げていくんです。

その際に使うのがたったこれだけ木づちとゲージなんです。


選手は自分の思い通りの形に近付けるためにゲージ(型)に合わせて木づちでペラを叩いていくんですよ。

この木づちというのが大変らしいです。

前節で使っていた選手のゲージ(型)の形が自分のものと近ければまだいいのですが、全然違うタイプの選手の場合はまあ大変ですね。

叩いて叩いて調整してやっと思い通りの形になっても、試運転するとペラが前の形に戻ってしまうこともあるみたいです。

モーター調整って時間との戦いでもありますので、このペラの調整に時間を使いすぎてしまうと他のところを見る時間が少なくなってしまいます。

女性レーサーより男性レーサーの方がモーター調整が上手な選手が多い理由の1つとしも力の差というのもあると思います。

 

ちなみに現在のプロペラは抽選でモーターとセットになっていて、ヤマト制というものになっています。

初日の前日にモーターを抽選するのですが、その際にプロペラもセットで決まる形になっています。

選手が福引のガラガラみたいな機械(正式名称はわかりません)を回して、喜んでいたり笑ったりしているシーンを見たことがあると思いますがあれです。

ちなみにガラガラを2回引いて、1つはモーターが決まるガラガラでもう1つはボートが決まるガラガラになっています。

選手としてはこれから6日間一緒に戦う相棒が決まる瞬間でドキドキですよね。

モーター抽選時は誰もが少しでもいいモーターが当たりますようにと思っています。

しかしどんな悪い成績のモーターでも選手は配られたカードで戦うしかありません。

弱音なんて言ってられないんですよ。

(コメントで弱音のコメントを出す選手もいますが心の中は燃えていると信じています)

そしてトップ選手になると抽選でどんなモーターを引いても、モーター調整やプロペラ調整でそこそこのものに仕上げてしまいます。

今まで成績が悪いモーターでもトップ選手が乗るとそこそこ良いモーターになるというのは結構あるみたいです。

ルールが変わって昔みたいにペラの形を大きく変えるというのはできなくなりましたが、それでもペラ調整は重要といえます。

出足や伸び足に大きく影響してきますので、どんな調整をしているのかを考えるとレースの展開予想も面白くなるとはずです。


ここまで読んで「ペラの調整ってすごく大変そうだな~」って思った人も多いと思います。

しかし昔はもっと大変だったんです。

今はこのようにペラの加工もレース期間中のみとなっていますが昔は違いました。

今は競艇場が用意しているモーターと最初からセットになっていて、抽選で決まったものをレース期間中のみ使っていきます。

しかし昔は競艇選手が自分で購入して色々な形に加工して、データーをとってさらに改良したりしていました。

金額は1枚2万円くらいするみたいです。

これが「持ちペラ制」というものです。

その加工1つとっても騒音対策として自宅とは別にペラ小屋(ペラの加工はペラを叩いたり切ったり大きな音が沢山でるため)を用意したり、ペラの設計や加工を外注に出したりとペラ作りの競争は激化していきました。

まさに強いペラを持っている選手が勝ち続けるという時代です。

当時は今以上にペラの重要性が高かったために、強いペラを持つ人をペラ巧者と呼び、その人の下に人が集まって「ペラグループ」というのがありました。

今の競艇界の師弟関係もその時の流れで続いていると考えていいでしょう。

有名なペラ巧者としてはもう引退していますが、谷川宏之選手ですね。

艇界屈指のペラ巧者と呼ばれ、谷川選手が率いていたペラグループは人が増えすぎ、弟子数名に「のれん分け」をしたこともある位なのでです。

自分でレースをして整備もして部品まで作ってしまうのってすごくないですか?

F1で言うとレーサーがレース中にピットインして自分で車を整備してまたレースに戻ったり、レース期間中以外もマシンの部品を自分で開発するって感じですかね。

やっぱり競艇選手ってすごいですね。


ただその持ちペラ制度で悪いこともあったみたいです。

選手としては

①持ちペラの製作や調整などでお金がかかりすぎる。
A1級(トップクラスの選手)ならそれでもいいかもしれませんがデビューしたての選手にとってはかなり大きな負担だったと思います。

 

②レース期間中以外もペラ小屋にこもり新しいペラを作り続ける。
休みとしてゆっくりできないときついですね。

 

ファンとしては

①正直持ちペラ制の時代はペラが勝敗に関わる割合が大きすぎて、競艇場で開示されているモーターの勝率などみてもレース結果を予想しにくかった。

 


 

その後持ちペラ制の廃止へ

そして20年以上続いた「持ちペラ制」は廃止されました。(平成24年)

その後はモーターと一緒にプロペラも競艇場の所有となり、モーター1機に対してヤマト製、ナカシマ製の2種類から選手が好きな方を選択してペラ調整をして使っていました。

現在ではナカシマ製のプロペラを作成していたナカシマプロペラ株式会社がボートレース用の事業から撤退する形になり、今ではヤマト製のプロペラ1枚をどう使うかがカギになってきます。

現在のヤマト製プロペラ

直径は187mm、これを各選手が調整して使用しています。

競艇場所有のプロペラを節中に借りている状態なので、以前のように大幅な加工はできなくなってしまいました。しかしその分若い選手の活躍の場が増えたり、競艇ファンが予想しやすくなったり、もちろん選手のみなさんもレース以外はしっかり休んでリフレッシュできるようになったりと良いことの方が多かったと思います。

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