はじめに
近年CMやYouTube動画でも宣伝されて注目が集まっている競艇(ボートレース)!
日本国内には24箇所のボートレース場があり、全国で毎日熱戦が繰り広げられています。
近代ボートレースでは低出力モーターが導入されており、インコースが絶対的に有利とされています。
そんななか、戸田競艇場はインコースの勝率が全国で最も低く、俗に言う「荒れやすいレース場」です。
やや玄人好みのレース場であると言っても過言ではないでしょう。
本記事では、戸田競艇場の特徴と傾向、舟券の買い方のコツを紹介します。
ボートレースを始めたての初心者から中級者向けの内容となっているので、是非活用してください。
目次
- 戸田競艇場の基本データ
- 戸田競艇場の3大特徴!
- 日本一横幅が狭いレース場
- 戸田競艇場で頻出する決まり手とは?
- コースレイアウトから成立してしまう1コースが逃げ切れないロジック
- 他場データと比較することで見えてくる戸田の特徴
- 戸田競艇場の舟券購入はココに注目!
- 地元・OB選手による特徴解説
- 池上OB(戸田オフィシャル)
- 戸田レース場の整備士より
- 地元番記者の予想の組み立てかた
- 戸田競艇場の歴史とコロナ問題
- まとめ
戸田競艇場の基本データ
住所 | 埼玉県戸田市戸田公園8-22 |
開催時間 | 朝10時30分頃から |
水質 | 淡水 |
干満差 | なし |
モーター交換時期 | 例年7月頃 |
戸田競艇場の3大特徴!
戸田競艇場には、以下の3つの特徴があります。
1.日本一横幅が狭いレース場
2.コースレイアウトから成立してしまう1コースが逃げ切れないロジック
3.天候によって傾向がガラっと変わる!
それでは順番に解説します。
日本一横幅が狭いレース場
戸田競艇場は横幅が、107.5メートルと激狭であり、状況によっては余裕を持った旋回が難しいとされています。
この横幅が狭いことは選手にとって無視のできない非常に大きな問題であり、他のレース場よりも割り込める隙間が少なく、スタートを先行してからの差し(捲り差し)が決まりにくいという事になります。
レースはスタート巧者が主導権を握る展開が多く、次に選手による直線の伸びなどの機力整備が鍵を握る事になるでしょう。
戸田競艇場で頻出する決まり手とは?
競艇には様々な決着があり、通称決まり手といわれています。
最内インコースがそのまま逃げる『逃げ』、1号艇の内側を他艇が差す『差し』、スタートで凹んだ内側の艇を絞り切る『まくり』、スタートを先行しつつ、1号艇の内側を差す『まくり差し』、レース途中に順位が入れ替わる『抜き』があります。
戸田は1コースの逃げの次に、3コースなどのセンター艇のまくりが頻出する傾向が強いです。
コースレイアウトから成立してしまう1コースが逃げ切れないロジック
戸田ボートレース場の魅力はスピード感溢れる”まくり”展開が多い事です。
戸田競艇場の最大ともいえる特徴とは横幅が狭く、スタートタイミングが遅れてしまうと1コースが窮屈なターンを強いられてしまう事は前述の通りです。
更にコースのレイアウトもインコース受難な造りをしており、大時計の設置されているスタートから見ると第1ターンマークが13メートルスタンド側に振られている為、内側艇は回りしろを取るために斜めに走らなくてはいけません。
その為、センター・ダッシュ艇のスピード旋回に飲み込まれやすく、まくりなどの決まり手が多くなっています。
天候によって傾向がガラっと変わる!
戸田の舟券予想に欠かせないキーワードのひとつが当日の天候です。
レース場によっては展開が左右されない場合もあり、知っているのと知らないのでは、舟券的中率に大幅に差が出るでしょう。
戸田競艇場は雨が降るとインコースが更に弱くなります!
条件ごとでのコース別着順を比較してみましょう。
【コース別成績総合】2020年4月1日~2021年3月31日
コース | 勝率 | 1着率 | 2連帯率 | 3連帯率 | フライング | 平均スタート |
1コース | 7.16 | 43.9% | 62.5% | 73.1% | 11回 | 0.15 |
2コース | 5.35 | 14.4% | 36.1% | 53.7% | 4回 | 0.16 |
3コース | 5.39 | 15.8% | 36.0% | 54.9% | 10回 | 0.16 |
4コース | 5.27 | 16.7% | 33.2% | 51.4% | 4回 | 0.16 |
5コース | 4.41 | 7.1% | 21.5% | 40.8% | 4回 | 0.16 |
6コース | 3.52 | 2.3% | 11.5% | 27.7% | 4回 | 0.18 |
【条件別コース成績 雨・雪】
コース | 勝率 | 1着率 | 2連帯率 | 3連帯率 | フライング | 平均スタート |
1コース | 6.99 | 39.5% | 60.8% | 71.7% | 0回 | 0.16 |
2コース | 5.41 | 14.2% | 34.8% | 53.8% | 0回 | 0.15 |
3コース | 5.35 | 13.9% | 37.0% | 55.6% | 0回 | 0.15 |
4コース | 5.40 | 20.9% | 37.1% | 51.8% | 0回 | 0.16 |
5コース | 4.48 | 9.5% | 21.4% | 42.4% | 0回 | 0.18 |
6コース | 3.45 | 2.2% | 10.0% | 26.4% | 0回 | 0.19 |
総合のコース別成績では、1コースを除いた場合3コースが最も勝率が高く、対抗艇になりやすいです。
3コースからの決まり手も全体の52.4%が捲り決着となり、センターからの捲りがききやすい事が分かります。
またフライング回数も1コースを除けば、3コースが最も多いため、助走を長く取る選手(ダッシュ艇とも呼ばれています)の受けとなる3コースが戸田競艇場特有のスタート合戦に泣く結果が多い可能性が高い事がわかります。
総合のデータと比較すると雨や雪などの天候条件では、全艇フライング事故が0回というにわかに信じ難い結果に…。
雨によって視界が悪く、スタートに慎重になる可能性が高い事と、インコースの1着率が4.4%低下し、4コースの1着率と5コースの3連帯率が上昇している事を考えると、助走を長くとるダッシュ艇が捲りきる事によって助走距離の短いスローを潰す展開が考えられます。
他場データと比較することで見えてくる戸田の特徴
インコースの強い大村ボートレース場と比較すると戸田ボートレース場がいかにクセの強いレース場かが分かります。
1コースの1着率は驚異の65.5%!戸田の約1.5倍の逃げ率を誇っています。
更に大村競艇場は3連帯率を見るとボートレースは内側の艇が有利という証明を行っている典型的なレース場といえるでしょう。
コース | 勝率 | 1着率 | 2連帯率 | 3連帯率 | フライング | 平均スタート |
1コース | 8.49 | 65.5% | 80.3% | 87.6% | 15回 | 0.14 |
2コース | 5.52 | 11.1% | 39.2% | 57.6% | 8回 | 0.16 |
3コース | 5.32 | 9.3% | 33.2% | 55.4% | 7回 | 0.16 |
4コース | 4.73 | 8.6% | 24.6% | 45.3% | 6回 | 0.16 |
5コース | 4.02 | 4.3% | 16.1% | 34.7% | 8回 | 0.17 |
6コース | 2.96 | 1.3% | 7.3% | 20.5% | 8回 | 0.18 |
次に決まり手を比較するとそれぞれのレース場の性格がより分かれる結果となりました。
【戸田ボートレース場 コース別決まり手】
コース | 逃げ | 差し | まくり | まくり差し | 抜き | 恵まれ |
1コース | 95・0% | 0% | 0% | 0% | 5.0% | 0% |
2コース | 0% | 55.4% | 34.5% | 0% | 9.5% | 0.6% |
3コース | 0% | 11.4% | 52.4% | 26.9% | 8.4% | 0.8% |
4コース | 0% | 19.8% | 51.4% | 21.1% | 6.7% | 1.3% |
5コース | 0% | 4.8% | 28.5% | 50.3% | 14.5% | 1.8% |
6コース | 0% | 20.4% | 25.9% | 27.8% | 24.1% | 1.9% |
【大村ボートレース場 コース別決まり手】
コース | 逃げ | 差し | まくり | まくり差し | 抜き | 恵まれ |
1コース | 94.8% | 0% | 0% | 0% | 5.0% | 0.2% |
2コース | 0% | 63.8% | 21.2% | 0% | 13.2% | 1.9% |
3コース | 0% | 13.7% | 29.7% | 41.1% | 14.2% | 1.4% |
4コース | 0% | 19.4% | 47.6% | 22.8% | 6.8% | 3.4% |
5コース | 0% | 2.9% | 23.1% | 53.8% | 17.3% | 2.9% |
6コース | 0% | 3.2% | 38.7% | 32.3% | 22.6% | 3.2% |
戸田と大村を比較した場合、1周第1ターンマークでの3コースの動き方が全く異なる事が分かります。
大村の場合は仮に3コースがスタート先行した場合、まくりよりもその内側を差すまくり差しが41.1%を占めるが、戸田の場合はまくり決着が全体の52.4%を占めています。
3コースの選手がスタート先行した場合に、1コースが第1ターンマークにたどり着く前にまくり、コースを絞り込んで決着がついていることがこのデータから分かります。
戸田競艇場の舟券購入はココに注目!
では、どのような買い目を選択すればより的中に近付くのでしょうか?
地元選手目線・整備士など様々な視点から見た戸田の全容について解説します。
地元・OB選手による特徴解説
2019年に開催されたSGボートレースクラシックでは実力上位の地元A1レーサー・桐生順平選手と同じく地元A1レーサー・中田竜太選手によって戸田の水面について解説をされています。
桐生選手によると『狭い水面である事はやはり特徴的で、どのコースからも舟券に絡める。』、中田選手によると『水面の広いレース場とは走り方が異なります。そしてスタートで遅れたらどうしようもない。』とのことです。
走り慣れた地元水面でもモーターが悪いと直線の伸びがつきづらく苦戦を強いられてしまうようですね。
池上OB(戸田オフィシャル)
OB選手によると、戸田競艇場は水質が固く、ボートが跳ねやすい傾向があるとのこと。
スタンドと水面の間にあるガラスのカーテンによって風が跳ね返り、オフィシャルで公開されている以上に風を強く感じるため慣れない戸田に慣れていない選手は苦戦を強いられてしまいます。
直前情報で好調モーターを見抜くコツは、スタート展示の行き足(伸び)と、周回展示のかかりに注目する必要があるようです。
戸田レース場の整備士より
レース前に公表される直前情報では選手が交換した部品などの詳細が記載されています。
整備士によるとシリンダー・ピストンをセットで交換した際には伸びやすく調子が良くなる傾向があるそうです。
出走表を見ていてそのような情報があれば舟券構成に取り入れても良いかもしれません。
地元番記者の予想の組み立てかた
横幅が狭い為、4が捲りに行った場合、5のまくり差しよりも、6の内差しの方が舟券には絡みやすくなっています。
他場で4コースが捲りに行った場合、5コースがスタート互角だった場合、4コースが捲り切る時に差し場ができる事に対して、戸田特有の狭い水面が行く手を阻むことが多いそうです。
ついつい4-5の返しで5-4を買いたくなるところを冷静に分析する必要があるでしょう。
戸田競艇場の歴史とコロナ問題
戸田競艇場の歴史を語る上では、2021年開催のG1が中止になってしまった事ははずせません。
戸田競艇場はG1開催60年以上の歴史があり、ボートレース業界を牽引し続けてきたレース場と言っても過言ではないでしょう。
ですが現在はコロナウィルスの影響で2021年1月から無観客での実施と場外での発売を自粛しています。
また2021年1月28日から開催されていたG1戸田プリムローズ開設64記念では、出場選手にコロナウィルスが確認された為、2日目に中止されました。
戸田に限らず、現在は無観客試合が開催されるレース場も多く、一日でも早く、本場で迫力満点のレースを観戦したいですね。
まとめ
以上、戸田競艇場の特徴や予想ポイントをご紹介してきました。
ポイントは、他場との違いを把握することで勝利に近づきます。
それでは最後におさらいをしてみましょう。
・戸田は全国で最も横幅が狭く玄人好みの荒れるレース場!
・出走表とにらめっこする前にまずは天気をチェック!雨の日のインは注意!
・迷ったらスタート巧者を軸に予想!
・周回展示を見る際には、ターン周りの掛かりと直線の伸びに注目!
※現在は無観客試合が開催されていますが、舟券の購入は可能です。
リアルタイムで生のレース観戦ができる日まで今はじっと我慢しましょう!
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