【秋のSG】ボートレースダービー2022(常滑競艇SG)が始まる!2014年以来の当地開催に大注目

秋には様々な定番の呼び名がありますが、ことボートレースに関しては、「ダービーの秋」というのが最もしっくりくるでしょう。今年もボートレースダービー、いわゆる全日本選手権の季節がやってきました。

2022年の今年、開催地は愛知県常滑市のボートレース常滑です。同地での開催は2014年以来となりました。すなわち、全日本選手権が初めてボートレースダービーの通称を得たときの水面に、久々にこのビッグタイトルが戻ってきたことになります。

この記事では、過去10回のボートレースダービーの結果を紐解きつつ、今回のシリーズで注目したい選手たちをピックアップし、最近の調子を軸にその結果を占います。

新たな歴史が生まれ続ける2022年のボートレース界に、またもや意外な結末が待っているのか。それを予想する材料として、ぜひこの記事をご活用ください。


2022年のボートレースダービーが到来!今年の開催地はボートレース常滑

今年のボートレースダービーは、8年ぶりにボートレース常滑で開催されることになりました。例年以上の寒暖の差が訪れる日本列島は、必然的に水面の性格も変わりやすい気候をもたらしています。

いわば地球謹製のカオスとも言えるこの状況。見事に優勝戦まで勝ち抜き、1着でゴールする選手は、あらゆる困難に打ち勝つダービー王と言えるでしょう。

常滑水面の魅力といえば、その走りやすさです。水質が海水で柔らかい一方、水門で外海と隔てられていることで、海コースでネックとなる潮汐やうねりの影響が極限まで抑えられています。

一方で、秋から冬に向かう時期は、その走りやすさに加えてダッシュ勢に利する風が吹き、1コースの勝率が下がってくる傾向にあります。外からのダイナミックな仕掛けが奏功しやすいコンディションは、すばらしいドラマを生んでくれることでしょう。


過去10回のボートレースダービーの歴史を振り返る

今回で第69回を数えるボートレースダービー。「全日本選手権」の時代から、長い歴史を紡いできました。「ダービー」と名前がつく日本のレースとしては、中央競馬の日本ダービーに次ぐ伝統を誇っています。

では、過去10年のボートレースダービーは、どのような選手が栄冠を勝ち取ってきたのでしょうか。開催地の変遷とともに、ずらりと列挙していきます。

2012年(福岡):丸岡 正典
2013年(平和島):瓜生 正義
2014年(常滑):仲口 博崇
2015年(浜名湖):守田 俊介
2016年(福岡):瓜生 正義
2017年(平和島):深川 真二
2018年(蒲郡):守田 俊介
2019年(児島):毒島 誠
2020年(大村):深谷 知博
2021年(平和島):平本 真之

過去10回のボートレースダービーの優勝選手は上記のとおり。瓜生正義選手と守田俊介選手がそれぞれ2回ずつ優勝しているのが目立ちますし、瓜生選手はさらに昔、2010年の桐生開催でも優勝しているため、V3を達成してるのがすばらしいところです。

今回も、この超一流2名は出場メンバーに名前を連ねました。ダービーで優勝する味を知っている選手が、再びの栄冠に輝くのか。そうした観点から見ると、また違った楽しみが生まれるでしょう。


前回の常滑ダービーは2014年!優勝したのは仲口博崇

先の項目でも示したとおり、常滑でのボートレースダービー開催は、2014年以来8年ぶりです。前回は、全日本選手権競走が初めてボートレースダービーの通称とともに開催された記念すべき大会でした。

それから歴史を積み重ねてきたダービーが、再び常滑の快速水面を舞台とします。極めて走りやすい水面であるがゆえに、全速戦ももちろん許容する一方で、熟練の業で懐に飛び込むような競走にも有利に働きます。

操縦技術の巧拙がもろに出る常滑水面。そんな常滑水面で行われた前回、2014年のボートレースダービーを制したのは、地元愛知支部の所属である仲口博崇選手でした。G1競走を複数獲りながらも、なかなか届かなかったSGの高み。ついにその頂上へと手が届いた、歓喜の勝利となりました。


2022年のボートレースダービーは誰が主役?地元愛知支部と遠征勢に分けて紹介!

2022年のボートレースダービーの注目点。それは、「地元で強い愛知支部」と「タイトル奪取を図る遠征勢」の戦いとも言えるでしょう。事実、前回開催では地元愛知支部の仲口博崇選手が勝っているように、常滑水面を知り尽くしている愛知支部勢は最大の利を有しています。

こうした観点から、注目選手ピックアップは愛知支部から3人、他支部から3人、合計6人を紹介していきます。

どんな名選手も、ずっと好調を維持し続けられるわけではありません。様々な要因が重なって、パフォーマンスが落ちる時期もあるでしょう。ここで紹介する6人について、最近の調子も重要な軸として、期待できる活躍の度合いを見ていくことになります。


愛知勢の注目選手①:平本真之(4337)

昨年の平和島開催の優勝選手という意味で、平本真之選手は当然に注目されるべき存在でしょう。まして地元たる愛知県大府市の出身で、今や愛知支部を先頭で引っ張るレーサーともなれば、常滑開催の今回は最高の結果が期待されます。

ディフェンディングチャンピオンとして、平本真之選手の連覇の可能性はどれだけあるのでしょうか?

地元の常滑水面においては、2022年10月下旬現在までに、78節もの出場履歴を積み重ねてきました。もちろん全24場で最多です。1着率33.4%、2連対率57.4%、3連対率73.2%は、相当数の見習い期間が含まれていることを考えると、まことに優秀な成績と言えるでしょう。

もちろん、常滑での優出は41回、優勝は10回とずば抜けた数字です。そして、この優勝回数には地元周年である「トコタンキング決定戦2015(常滑競艇G1)」も含んでいる点は、注目に値します。

最近の成績も文句なしです。3節前の「ボートレースメモリアル2022(浜名湖競艇SG)」では優出し、4着。SG競走でも覇を競える実力を示し、大きな賞金を積み増すことに成功しました。

また、2節前にも「福岡チャンピオンカップ2022(福岡競艇G1)」でも優出6着。最終日の第12Rに名を連ねることは、平本選手にとっての至上命題です。今年もボートレースグランプリ出場が有望視される存在ゆえに、当然といえば当然かもしれません。しかし、それは実際のところ、非常に達成困難な偉業なのです。

今回のボートレースダービーにおいても、平本選手は「優勝候補」の金看板を背負います。しかも、「地元選手」で「最有力候補」のおまけ付きです。

そうした期待に応えるだけの実績と実力が、平本選手には備わっています。ぜひとも卓抜した実力を認め、舟券戦略で重要視していくべきでしょう。


愛知勢の注目選手②:池田浩二(3941)

2021年のボートレースダービー覇者は平本真之選手ですが、2011年の同レース、全日本選手権の覇者こそ、愛知の大黒柱である池田浩二選手でした。今回の開催でシリーズリーダー候補となる地元選手が、いずれも平和島開催のSG競走を制していることは、実に面白い共通項です。

池田選手は1978年4月3日生まれの44歳。数多くの実績を作り上げてきたことは言うまでもありません。地元常滑市の出身で、当然に常滑をホーム水面として戦ってきました。これまでに出場した節数は93。勝率は8.01という異次元の高みへ達し、1着率45.6%、2連対率66.9%、3連対率80.5%ものハイアベレージを記録しています。

常滑で戦った93節のうち、62節で優出を達成しているのも驚異ですが、うち26節で優勝している事実にはさらに驚くほかありません。

26回の優勝には、かつての周年競走である「マーメイドグランプリ2008(常滑競艇G1)」に加え、「トコタンキング決定戦2019(常滑競艇G1)」も含まれます。

なお驚くべきことに、この2019年のトコタンキング決定戦は開設65周年記念と66周年記念が2月と4月に開催されたのですが、両方とも優勝するという離れ業をやってのけました。

SG優勝10回。堂々たるレジェンド枠である池田浩二選手ながら、無論、数字をより伸ばすことが可能な状況にいます。その1つが、今回のボートレースダービーになるかもしれません。

生まれ育った常滑で行われるボートレースダービー。そこにかける想いも、格別なものがあるでしょう。ボートレースという魅力的な競技を取り巻くドラマの中心に、池田浩二選手は存在しています。


愛知勢の注目選手③:磯部誠(4586)

1990年9月8日生まれの32歳。磯部誠選手はルーキーのころから2022年現在にいたるまで、艇界の期待の星であり続けました。

初めてのG1級レース制覇は、「ヤングダービー2020(びわこ競艇PG1)」でのこと。満30歳を迎えた月の開催で、まさしくラストチャンスでの栄冠でした。

以来、磯部選手の活躍はいよいよ加速し、全国でトップクラスの成績を残し続けます。今年2022年には「東海地区選手権2022(常滑競艇G1)」を制し、勝ち取ったタイトルの歴史に積み重ねました。そう、この地元常滑における強さを発揮したばかりなのです。

8月にも「サッポロビールカップ(常滑競艇一般)」を制しており、常滑水面はまさしく彼の庭。今回のボートレースダービーで、SGさえも飲み込む力を見せてくれるかもしれません。

データとして顕著なのが、2号艇でのずば抜けた勝負強さです。先に挙げたヤングダービーでも、ならびに東海地区選手権でも、2号艇からの逆転優勝でした。「磯部誠と2号艇」は、本シリーズのみならず、今後あらゆる開催で注目していきたいフレーズと言えるでしょう。


遠征勢の注目選手①:毒島誠(4238)

遠征勢で最も注目したいのは、群馬の毒島誠選手です。SG競走で7回優勝している超一流の実力はもちろん、その内訳には3年前の「ボートレースダービー2019(児島競艇SG)」が含まれている点に、大いに刮目するべきでしょう。

この一事をもってしても、ナイター競走で無類の強さを誇る毒島選手が、デイ開催でも強いことを証明しています。事実、今年は年明け早々にデイ開催である「全日本王座決定戦2022(芦屋競艇G1)」を制しており、オールラウンドな強さがあることを示してくれました。

一方、9月には地元周年である「赤城雷神杯2022(桐生競艇G1)」で優勝。調子の良さも担保されています。

ただ、不安点も述べねばなりません。例えば、常滑は全24場のなかでは比較的経験が浅い水面であること。これまでの出場節数は12回にとどまり、これは唐津の11回に次いで少ない数字です。勝率6.57、優出4回に優勝1回というのは立派な数字ですが、それでも毒島選手にしては物足りません。

なお、この優勝1回はかなり昔、「若獅子杯2007(常滑競艇G3)」までさかのぼることになります。若手時代に世代限定戦で優勝していない常滑水面と考えると、少し不安の影がさすのも致し方ないところでしょうか。

さらに、赤城雷神杯以降の成績が奮いません。「徳山クラウン争奪戦2022(徳山競艇G1)」、「尼崎センプルカップ2022(尼崎競艇G1)」と続けて優出にいたらず、前節の「トーキョー・ベイ・カップ2022(平和島競艇G1)」では初日に転覆および6着で途中帰郷と、コンディション面の心配もあります。

それでも、毒島選手が現役屈指の腕前を持つことに、いったい誰が疑問の声を投げかけるでしょうか。すべてはこのビッグタイトルのため。数字上は有利でなくとも、ここまで鍛え上げてきた技術でもって、2度目のダービー制覇を目指します。


遠征勢の注目選手②:瓜生正義(3783)

誉れある昨年度のボートレースグランプリの覇者。ただその一言でもって、瓜生正義選手のすごさは誰にでも伝わるはずです。SG優勝は実に11回。そのうちボートレースグランプリが2回含まれていることは、瓜生選手がすでに歴史に刻まれる名選手であることを運命づけています。

全24場のうち22場での優勝を達成。その22場の中に、常滑も含まれています。この水面での勝率は7.49。21節もの戦いを経て、これほどの優秀な数字を記録しました。優出8回に優勝2回は、「マーメイドグランプリ1998(常滑競艇G1)」と「オーシャンカップ2019(常滑競艇SG)」というビッグタイトル2つによって彩られています。

瓜生選手の勝負強さがわかる内容であるとともに、この常滑水面でも実力が十二分に発揮されていると言えるでしょう。

最近の調子がピカイチなのも、瓜生選手に注目すべき要因のひとつです。2節前の「びわこ大賞2022(びわこ競艇G1)」では予選5位タイから準優勝戦2着で優出を達成。さらに、優勝戦では5号艇5コースの不利を覆し、優勝した深川真二選手に肉薄する2着に入りました。

また、前節の「トーキョー・ベイ・カップ2022(平和島競艇G1)」でも予選12位通過ながら、準優勝戦では2着をもぎ取って優出を達成。さすがに優勝戦では5着に終わったものの、現役屈指の実力を示しています。

一方で、そんな瓜生選手は昨年の「ボートレースグランプリ2021(住之江競艇SG)」以来、シリーズでの優勝から遠ざかっています。超一流の次元で戦い続けるがゆえの悩みは、SGという最高の舞台で払うのが最良の薬になるでしょう。福岡が誇る「正義のヒーロー」の戦いぶりには要注目です。


遠征勢の注目選手③:馬場貴也(4262)

令和のボートレース界における「勝負強さ」の代名詞的存在。滋賀の馬場貴也選手については、ぜひともそのように紹介すべきでしょう。1984年3月26日生まれの38歳。今年大躍進した滋賀支部でも有数の実力者として、広く知られている存在です。

馬場選手のすごさを示すには、例えば、今年2022年の優勝戦での決まり手を引用するのが適切でしょう。今年6回の優勝を果たしている馬場選手は、優勝戦において1号艇1コースからの「逃げ」勝利を飾ったことが、わずか2回しかありません、すなわち、残り4回は1コース逃げを粉砕しての逆転優勝を飾っているのです。

「WINWINパーク戸田開設5周年記念・ZBAT!杯(戸田一般)」では6号艇6コースからのまくり差しを決めたのを皮切りに、「結核予防事業協賛 秩父宮妃記念杯2022(びわこ競艇G2)」では4号艇4コースからのまくり、「競帝王決定戦2022(下関競艇G1)」では3号艇3コースからのまくり差し、「戸田プリムローズ2022(戸田競艇G1)」では2号艇2コースからの抜きと、「波乱を呼ぶ男」として駆け抜けてきました。

なお気になることに、馬場選手は常滑水面とは相性の良い数字を残しています。例えば、同じ愛知県の蒲郡水面と比べると0.5点も勝率が高いのが、その証左と言えるでしょう。

近走でも「びわこ大賞2022(びわこ競艇G1)」では優出3着、「トーキョー・ベイ・カップ2022(平和島競艇G1)」では優出4着と、その高い技量の発揮の場が続きます。常識の埒外からでも飛んでくる彼が強みを見せたならば、今年のボートレースダービーは驚きの結末を迎えるかもしれません。


[入場規制]ボートレースダービー2022(常滑競艇SG)では新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として入場規制が実施されます!

今回の「ボートレースダービー2022(常滑競艇SG)」の現地観戦を希望する場合、注意しなければならない点があります。それは新型コロナウイルス感染拡大防止対策の一環として、「入場規制が行われる」ためです。

初日(10/25)、5日目(10/29)、最終日(10/30)については、事前抽選に応募して当選した人しか入場することができません。この事前抽選については、2022年10月下旬現在、すでに終了しています。

さらに、当選ハガキを所持している人も、13:00までい入場受付を済ませる必要があります。

今なお世界的に猛威を振るい、この冬には感染の第8波が到来すると見られている新型コロナウイルスとその変異株。良好な開催が実施されるためにも、主催者の取り組みに全面的に協力していきましょう。

参考資料:事前抽選入場特設ページ – ボートレース常滑
https://adk-event.com/derby2022/


今年のボートレースダービー(全日本選手権)がもたらす未来とは

女子選手が初めてのSG競走制覇という歴史的快挙を成し遂げた2022年のボートレース。そんな今シーズンも、残りわずかとなりました。ボートレースグランプリへの切符をかけて行われるSG競走は、もはやこのボートレースダービーとチャレンジカップを残すのみとなっています。

勝つのは愛知勢か、遠征勢か。思わぬニューヒーローの誕生はあるのか。売上記録を更新し続けるボートレース界にとって、さらなる吉報が生まれることが心より望まれます。10月下旬、常滑決戦から目が離せません。


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