【激戦回顧】ボートレースクラシック2023(平和島競艇SG)の優勝者は土屋智則!大切な家族・師匠・同期に捧げるビッグタイトル!

世界はいよいよウィズコロナ、ならびにアフターコロナへと入ってきました。ボートレース界も約3年に渡って翻弄されてきましたが、ようやく落ち着きを取り戻しつつあるようです。

そのような中で行われたのが、2023年の最初のSG競走である「ボートレースクラシック2023(平和島競艇SG)」。昨年は遠藤エミ選手による歴史的制覇があったこのレースでしたが、今年は果たしてどのような結末を迎えるのかという点が注目を集めました。

当記事では、2023年のボートレースクラシック回顧を優勝選手の情報を中心としてお届けするとともに、年末のグランプリへ向けた展望を行っていきます。


群馬支部の土屋智則選手が「ボートレースクラシック2023(平和島競艇SG)」で優勝!

悲願達成!

そう銘打っていいであろう結末が、2023年のボートレースクラシック、「総理大臣杯」では訪れました。平和島の水面で主役となったのは、群馬支部の土屋智則選手です。

なんといっても、土屋選手は初日から圧巻の走りでした。2走して両方とも1着。しかも、2号艇2コースと3号艇3コースですから、「これはいける」と強い自信になったことでしょう。2連対率41.94%の65号機という”当たり”を引いたチャンスを、存分に生かしてくれました。

今回の優勝戦には、予選順位上位6名がそのまま進む結果となった点も、特筆すべきでしょう。すなわち、準優勝戦では1コースおよび2コースの選手がそのままワンツーを決めたということでもあります。SGという高みにおいて、これは非常に面白い現象です。

「強者が成すべきことを成した」

その点からも思い起こされるSGとして、「ボートレースクラシック2023(平和島競艇SG)」は記憶されるでしょう。


圧巻の優勝戦!土屋智則選手、優勝おめでとうございます!

SG戦線の開幕を告げるボートレースクラシックの優勝戦。2022年は「女子選手初のSG競走制覇」という歴史に残る出来事によって幕を閉じましたが、2023年もまた負けず劣らず痛快な結末へとたどり着きました。

1号艇1コースの土屋智則選手による、勝負のコンマ08スタート。トップスタートからのイン先マイは、ほぼ完璧といって差し支えないものだったでしょう。

しかし、それでもなお盤石ではないのが、ボートレースの恐ろしいところです。4号艇4コース、復活の狼煙をあげる福岡の篠崎元志選手の強烈な4カド一撃が迫ってきました。

さらには、あの平和島グランプリの再現とばかりに、6号艇6コースの茅原悠紀選手のまくり差しも炸裂。あわや土屋選手の懐を捉えかけます。

それでも、予選1位通過を果たした最良の調整は、土屋選手の艇をもう1段グンと後押ししました。2マークも外へ全速でターンし、勝負あり。篠崎選手と茅原選手の2着争いを決定づける、勝利のターンとなったのです。

土屋選手は、表彰式で「まずはお母さんですね。今まで育ててくれたので、いい報告をしたい」と感謝したい相手を語りました。さらに、「あと橋本さんも、江戸川で見てくれていると思う。デビューしてから今でもずっと面倒を見てもらっているので、一生付いていける存在です」と師匠への感謝も述べたのです。彼の人柄を感じさせてくれるコメントでした。


土屋智則選手のSG制覇への旅路・師匠の橋本久和選手に届ける吉報

群馬支部の土屋智則選手は、同支部の橋本久和選手を師匠としています。G1ウィナーである師匠から、SGウィナーの弟子が生まれたことは、まさしく出藍の誉れと言えるのではないでしょうか。

優勝戦1枠が決まった時点で、橋本選手は歓喜していました。開催中は連絡が取れないので、前検日にスマートフォンなどを預ける前に、LINEで「平和島、やってこいよ!」とメッセージを送っていたと言います。

それにしても、初日連勝を含めた予選1位通過は、「もしかしたら?」という気持ちにさせてくれたことでしょう。

橋本選手もSG競走での優出は経験こそありますが、優勝には至りませんでした。その悔しさを知るからこそ、愛弟子の優勝は人一倍うれしいはずです。

「優勝してほしい! あとは運だよね。すべてがそろわないと、優勝できないから」という優勝戦前のコメントには、重圧を知る者だからこその深みが感じられます。そして、それを成し遂げた土屋智則選手のVは、どれほどに喜ばしかったか。きっと想像を超えるものがあるでしょう。


土屋智則選手の栄冠を姉の土屋千明選手も絶賛!

土屋智則選手は、その家族も有名なことで知られています。父親はオートレースの選手であった土屋栄三さん。そして、姉は2023年3月現在も現役のボートレーサーである土屋千明選手です。

ボートレースクラシックの最終日、土屋千明選手はボートレース住之江の開催で準優勝戦を待つ身でしたが、弟の快挙をしっかりと見届けていました。果たして、達成された初SG制覇という誉れ。我がことのように喜ぶ気持ちを抑えられません。

「人のレースを見て、初めて泣きました」

土屋千明選手のコメントに、万感の想いがこもっています。それほどに特別な一戦だったことがよくわかります。


土屋智則選手と同期の西山貴浩選手も”ガチ泣き”した

土屋智則選手の初の栄冠を喜んだのは、家族だけではありません。ボートレーサーの多くがそうであるように、同期の絆も確かなものがありました。とりわけ、福岡の西山貴浩選手はファンから絶大な人気を誇る、土屋選手の愉快な同期です。

同時に、初SG制覇を競っていたライバルでもありましたが、とうとう土屋選手が先にその栄誉を勝ち取ることになりました。

西山選手には、悔しさもあったでしょう。しかしながら、それ以上に喜びを爆発させていました。数年前、土屋選手がSGで優出した時も、全力で応援していた西山選手です。彼は今回も”戦友”の快挙をテレビで見守り、SG制覇という誉れを成し遂げたことで大いに涙していました。

土屋選手もまた、そんな同期のことを忘れていません。優勝者として迎えた表彰式の場。「西山やったぞー! (SG優勝)お先にー!」と叫んだのです。こうした仲を見られるのもまた、ボートレースが輝けるスポーツである証拠と言えるでしょう。


篠崎元志選手は悔しい2着!茅原悠紀選手も大外からあと一歩に迫った

勝者があれば、敗者もいる。優勝戦において、際どく1着争いにまで迫った2人の選手がいます。それが4号艇の篠崎元志選手、および6号艇の茅原悠紀選手でした。

2人とも、1号艇の土屋智則選手が抜群の逃げを放ったからこそ届きませんでしたが、あと一歩で大逆転勝利に近づいたこと、さらにその後も熾烈な2着争いを繰り広げたことは、今回のボートレースクラシック全体の”格”を上げてくれたと言えるでしょう。

なお、2着に入った篠崎元志選手は、今回の優勝戦で24個目のボートレース振興会会長賞メダルを獲得し、史上12人目のゴールデンレーサー賞を受賞することになりました。今大会では2つの快挙が生まれたと言っても過言ではありません。篠崎元志選手もまたすごいレーサーである事実を、広く知らしめてくれました。


年末の「ボートレースグランプリ2023(住之江競艇SG)」に向けて賞金レース本格始動!

年末のボートレースグランプリに出るために必要なもの。それは言うに及ばず、11月のチャレンジカップ終了時点までの獲得賞金の総額。これだけです。このシンプルな戦いを制するためには、すばらしい操縦技術と整備技術、それにフライングや待機行動違反などを犯さないスマートでクリーンな競走が求められます。

2023年3月21日、ボートレースクラシックが終了した時点での賞金ランキングの上位6名は以下のとおり。

1位:土屋 智則(群馬)
2位:池田 浩二(愛知)
3位:茅原 悠紀(岡山)
4位:毒島 誠(群馬)
5位:桐生 順平(埼玉)
6位:篠崎 元志(福岡)

今回優勝した土屋智則選手がビッグな賞金をゲットし、一躍トップに躍り出ました。毎年のことながら、SG競走の重要性を感じる瞬間です。2位から6位にも、今回の優勝戦まで駒を進めた面々が賞金ゲットで浮上してきましたね。

また、毒島誠選手も上位にランクインしていることから、群馬支部の好調さが非常にわかりやすくなっています。昨年(2022年)4月、同支部のレジェンド選手であった山崎智也選手が電撃引退を発表しましたが、その損失を埋めるように劇的な活躍が続いていることは、大きな驚きに値することでしょう。


2023年のボートレースは加速していく!

2023年、令和5年のボートレースも、ついにSG戦線へと突入しました。1月のプレミアムG1である「BBCトーナメント2023(びわこ競艇PG1)」は大ベテランの”王者”松井繁選手が制したのに対し、今回SG初制覇の土屋智則選手が台頭したのは、まさしく混沌とした情勢を示すかのようです。

年末の”聖地”住之江でのグランプリを目指し、賞金という誰もが認める出場条件を満たすための戦いが、激しさを増していくでしょう。次のSG競走は「ボートレースオールスター2023(芦屋競艇SG)」、笹川賞です。芦屋の水面でもまた、すばらしい戦いが見られることでしょう。


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