【GP2022出場】磯部誠は輝きを増す愛知の至宝!令和ボートレースの”急成長”の代名詞は2023年以降も注目です

磯部誠選手。登録番号4586。愛知県美浜町の出身で、所属も愛知支部のボートレーサーです。

1990年9月8日生まれで、2022年12月現在は32歳の磯部選手について、知られている内容は決して多くありません。しかし、彼はまだSG競走こそ制覇していないものの、G1競走を3つ勝利し、さらなる高みに到達することを待望されている存在です。

磯部選手の名前が鳴り響く日は、そう遠くないでしょう。もしかしたら、それは今後1週間もしないうちに訪れるかもしれません。今まさに始まろうとしている、「ボートレースグランプリ2022(大村競艇SG)」本戦への初出場を決めたからです。

現役ボートレーサーのうち、わずか1%だけが出場を許される最後の戦い、ボートレースグランプリ。その舞台への扉を押し開いた磯部誠選手とは、いったいどのような人物なのか。この記事では、磯部選手の来歴や魅力について解説していきます。

目次


磯部誠選手とは愛知支部が誇る「宝物」

磯部誠選手は、30代前半でありながら、すでにSG競走へ20節以上も出場しているトップレーサーです。G1競走への優出は13回、優勝も3回を数え、紛れもなく支部のエース級であると断言できるでしょう。

ただ、彼が所属するのは、ボートレース界でも屈指の腕利きがそろう愛知支部です。なんといっても、大黒柱である池田浩二選手がいますし、グランプリでの活躍も著しい平本真之選手、SGレーサーとして玄人も認める活躍を続ける仲口博崇選手など、多士済々と呼ぶにふさわしい陣容を整えています。

そんな中にあって、「必ずやSG競走を勝ってくれるであろう」と期待されているのが磯部誠選手なのですから、やはりすごい存在には違いありません。


磯部誠選手は高校時代にバレーボールをやっていたスポーツマン!

現在32歳の磯部誠選手ですが、ボートレーサーになる前の中学時代から高校時代にかけて、バレーボールに青春を捧げていました。身長172cmという、ボートレーサーとしては大きめの体格は、そこに由来のひとつを有しています。

一方で、172cmという数字は、バレーボールをやるには小柄でもあります。バスケットボールと同様に、バレーボールでも身長は大きな要素であり、小柄であると多くの面での不利や制限を受けなければなりません。

昭和のころならいざ知らず、磯部選手が青春を過ごした平成の中期から後期ともなれば、中高には背が高い男子が大勢います。まして、彼が進学した碧南工業高校(現・碧南工科高校)は、愛知の公立では強豪に類する学校でした。

こうした理由から、磯部選手は競技の継続をあきらめ、ボートレーサーになることを志しました。当時、「不死鳥」にして「艇王」たる植木通彦選手が活躍するレースを見て、その魅力に触れたのが大きかったと、今はボートレースの公式アンバサダーを務める植木選手本人に語っています。

この転換によって、磯部選手は「背が低いのがコンプレックスだったのが、これ以上伸びるなと思うようになった」とも振り返っており、環境の激変を窺わせるエピソードと言えるでしょう。

ボートレーサーになった現在もバレーボールは好きな様子で、憧れであるプロのバレー選手とのトークショーでは、大いに喜ぶ姿が見られたこともありました。


磯部誠選手は2009年11月デビュー!そこからの道のり

磯部誠選手は養成所105期生であり、2009年11月6日に地元常滑でデビューを飾りました。それから初勝利まで要したのは約5ヶ月。2010年4月29日の「第56回報知杯(平和島一般)」で、5号艇6コースからのまくり差しを決めての、嬉しい初Vでした。

実は、この初勝利の番組では、モーターの2連対率が6選手中で最も悪かったにもかかわらず、見事に勝ちきったのです。しかも、同開催では初日から2着に入り、その後も一度も6着を取らないという安定感を披露。非凡な才能の片鱗を見せていました。

初めての優勝は2013年のこと。2月20日に、地元愛知の蒲郡で決めました。「新鋭リーグ第10戦 G3蒲郡スピード王座決定戦(蒲郡競艇G3)」は、名前のとおりに今のルーキーシリーズにあたりますが、それでもグレードレースでの初優勝を達成したのは、実に嬉しかったことでしょう。

また、この前年には「新鋭王座決定戦2012(芦屋競艇G1)」でG1初出走、および初勝利も達成しており、すでに若手選手のなかでは抜きん出た存在になりつつありました。

ところが、それで簡単にビッグレースを勝てるわけではないのが、ボートレース(競艇)の怖いところです。20代のうちにG1を勝てるだろうと周囲に思われていた磯部選手は、ついにそれを達成できませんでした。


「ヤングダービー2020(びわこPG1)」での逆転優勝!歓喜の水神祭

戦い続ける者に、ボートレースの女神は微笑みます。「天の時」は、実にドラマティックな形でやってきました。

開催当月の1日時点で満30歳未満の選手が出場できるのが、新鋭王座決定戦の後を継いで始まったプレミアムG1競走ヤングダービーです。磯部誠選手の誕生日は1990年9月8日。「ヤングダービー2020(びわこPG1)」の開催期間は2020年9月17日から。

本当にギリギリのタイミングで、磯部選手は若手選手の最強決定戦のラストチャンスを手に入れました。

順調に勝ち進んだ磯部選手は優勝戦を2号艇で迎え、2コース進入から1周目1マークに鋭い差しを放ちます。それは、1号艇の上田龍星選手の懐を確実に捉えました。とうとう掴んだ栄光への好機を、もはや磯部選手は離しません。

30歳のラストチャンス。ヤングダービーは4回目の挑戦、G1は25回目の挑戦にて、G1開催初優勝の誉れを手にしました。


まさに飛躍!「東海地区選手権2022(常滑競艇G1)」と「京極賞2022(丸亀競艇G1)」を制覇

最も重要な事実として、磯部誠選手のきらめきは「ヤングダービーを獲ってからがすごかった」ことを、お伝えしなければなりません。2020年は惜しくもボートレースグランプリ本戦への出場を逃したものの、3年連続でのシリーズ戦出場を達成。前年度に続く予選突破、ならびに準優勝戦3着を果たしました。

このシリーズ戦出場は、2021年も達成されたため、連続出場記録は4年へと更新されることになります。同年はG1制覇こそなかったものの、5つの競走での優勝を勝ち取り、チャレンジカップ以外のすべてのSG競走に出場しました。

ただ、本当にすごいのは今年、2022年でした。2月に行われた地元開催の「東海地区選手権2022(常滑競艇G1)」において、ヤングダービー以来のG1優勝を達成。1号艇1コース、同支部の大先輩である池田浩二選手がまさかのフライングという「恵まれ」ではありましたが、成長へとつながるタイトルを手にしました。

また、SGでの活躍も継続。「ボートレースオールスター2022(宮島競艇SG)」ではなんと予選1位通過、その準優勝戦でまさかの一撃を食らって逆転5着で優出ならずと、酸いも甘いも味わいながら、高額な賞金を積み重ねていきます。

やがて迎えた11月、ボートレースグランプリ本戦への出場をかけた勝負の月。「京極賞2022(丸亀競艇G1)」にやってきた磯部選手は、4勝を含むオール3連対で予選1位通過、準優勝戦でも1着に入り、優勝戦1号艇を勝ち取ります。

プレッシャーのかかる優勝戦ですが、ここも堂々たるコンマ08からのイン逃げを敢行し猛追する3号艇の片岡雅裕選手を振り切ります。

掴み取ったのは周年競走初制覇、ならびにG1競走通算V3であり、さらには賞金の積み増しによって、「ボートレースグランプリ2022(大村競艇SG)」本戦への出場を確定させたのでした。


磯部誠選手は「ボートレースグランプリ2022(大村競艇SG)」への本戦出場を勝ち取った

ここまでの来歴からもわかるとおり、磯部誠選手のレーサーとしてのスタイルは、「抜群の安定感」にあると言えるでしょう。高次での競走の積み重ねがあれば、ボートレースグランプリ出場という栄誉を掴み取ることができる。それを証明してくれる存在です。

しかも、それは決してベテランのような老獪な走りによってのみではなく、若々しさにあふれた挑戦心に満ちた走りと融合することも可能であると、磯部選手は示しました。

今回、ボートレースグランプリは初めて「競艇発祥の地」であるボートレース大村(長崎県大村市)で実施されます。その歴史に残る開催に、32歳の若武者が”ベスト18″の1人として名を連ねたことは、どこか象徴的な色合いさえ帯びているようです。


2023年以降も磯部誠選手の活躍には大注目!

磯部誠選手は、操縦技術も整備技術も間違いなくトップレーサーのレベルに達していることを、実力によって証明しました。その先にあるものは「未来の栄光」のみならず、すぐ近くの開催における「最高の栄誉」かもしれません。

2022年のボートレースグランプリは、2022年12月13日(火)から12月18日(日)までの日程で開催されます。磯部誠選手は、そこで勝ち進むにせよ、一敗地に塗れるにせよ、必ずや大きな経験を得て、さらなる成長へとつなげてくれるでしょう。

愛知の宝であり、なおも磨かれ続ける磯部誠選手。彼を「推す」のは、今からでも遅くありません。ぜひとも、当記事をご覧になった機会に、そのレースぶりをご覧になってみてはいかがでしょうか。

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