【級別】ボートレースにおける級別は舟券予想で好配当の鍵になる

ボートレースの予想は、どんな時代であっても「難解」の一言に尽きます。6艇だから当てやすい、というのはテレボート公式の謳い文句ですが、そこは方便というもの。タフなプロフェッショナルであるボートレーサー同士がぶつかり合うからには、想定外の状況が次々に生まれます。
こうしたカオスと呼ぶべきボートレースを解き明かすため、ファンは展開を予想し、相対的な力関係を推理し、モーターやプロペラの仕上がりを調べ、たったひとつの答えを目指して検討に検討を重ねます。それでもなお険しき山として立ちはだかるのが、ボートレースです。
そんなボートレースを攻略する糸口になりうるのが、級別です。級別は選手のデータのひとつとして提供されている、とても基本的なものです。
ボートレーサーはA1、A2、B1、B2の4つのグループに半期ごとで格付けされるとともに、大レースに出走するためにはA1級に在籍している必要があるなど、とても重要な要素になっています。
本記事では、この級別にまつわるデータを紐解き、舟券予想に役立てるための要素をロジカルに解き明かしていきます。

目次


級別はボートレースの選手の力を示す

級別が選手のいわゆるグループ分けであるとともに、単純に強い選手がA1級になりやすいという事実から入ると、たとえボートレースのビギナーでも大変わかりやすいでしょう。
A1級になるためには、何より数多くのレースに出て、すばらしい成績を残さなければなりません。ボートレーサーの最も象徴的な数字は「勝率」ですが、これは一般的な名詞から連想される「単純に勝つ確率」ではありません。ボートレース特有の計算をして算出される数字であり、競輪の競走得点に近い性質を持っています。
級別を決定する要素としてもこの勝率、加えて2連対率と3連対率が関わってきており、選手の力をダイレクトに反映しているといえるでしょう。
ほかには低い事故率と最低出走回数が規定として設けられていることからも、クリーンでなおかつ強いことが優秀なボートレーサーの条件として設定されている様が窺えます。
では、以下の項目で、各級の決定要件を実際の数字を通して見ていきましょう。上位の選手がどれだけ舟券に絡みやすいかが、如実にわかる内容となっています。


A1選手はSG競走やG1競走にも出られる可能性

A1級は4つある級別の中で最上位に分類されるため、最も厳しい条件が設定されています。約1,600名いるボートレーサーのうち、A1級になれるのは20%の320名前後に過ぎません。
ボートレースを何度かやったことがあるファンならわかるとおり、A1級の中でも力量差があるのはもちろんですが、それでもA1級の選手はA2級やB1級に比べて抜群に上手いのは事実です。

【A1級になるための条件】
・2連対率30%以上
・3連対率40%以上
・事故率0.70以下
・最低出走回数90回以上
・これらの条件を満たして勝率上位の選手

A1級は、このような条件をクリアして初めて勝ち取れます。数字だけを読み取れば、10回走って3回は2着までに入り、10回走って4回は3着までに入ります。スタート事故などで事故点をもらうこともなく、出走回数も多いので舟券戦略に個人単位で組み込むことも可能です。
総合的に考えれば、A1級の選手の取り扱いこそ、舟券予想の全体的な質を決めるとさえいえるでしょう。A1選手はボートレース場が設定するシード番組に編成されることも多く、彼らが期待通りに走れば本命党が喜び、まさかの敗退を喫すれば穴党が喜ぶ展開になります。
A1選手の得意不得意を知っているだけで、舟券の回収率がグングン上がると断言してもいいかもしれません。それくらい、ボートレースにおけるA1選手は重要な役割を果たしています。
重ねて言えば、A1選手は強く、出走表でも赤文字でA1と目立つように表記されていることからも、レースを左右する重要な存在だからです。


A2選手もG2競走やG3競走で台風の目になることも

A2級は4つある級別のうち、上から2番目に位置しています。A1級を虎視眈々と狙う若手やB1級への転落を阻止したいベテランなど、バラエティに富んだ個性派が集まりやすいのも、この級別の特徴でしょう。
SG開催やG1開催の多くはA1級の選手があっせんされますが、地区選のような人数が限られているG1開催や、G2およびG3はA2選手が主力となることも多々あります。とりわけ舟券の人気はA1選手が吸いやすく、A2選手が人気の盲点として高配当を提供することも少なくありません。

【A2級になるための条件】
・2連対率30%以上
・3連対率40%以上
・事故率0.70以下
・最低出走回数70回以上
・これらの条件を満たしてA1級の選手を除く勝率上位の選手

このように、A1級とほぼ同等の条件が課されています。違うのは出走回数くらいなもので、あとは勝率の高低でA1とA2の明暗が分かれます。
勝率は名前のとおり、1着による加点が大きいため、各開催でコンスタントに勝ちを重ねることが大切です。特にビッグレースで活躍したり、一般戦でも優出するなどのクオリティの高い競走を見せることで、A1級への道が開けます。
そういう意味では、A2選手はまさに「残念ながらA2級に甘んじることになった」という表現が適するでしょう。実力はトップクラスでありつつも、何らかの理由で勝ちきれなかった、また何らかの理由で出走回数を満たせなかったという場合に、A2級になるわけです。
とりわけフライング休みなどで出走回数が足りなかっただけの場合、実力は十分に備えているため、A1選手を打ち破る活躍を見せることも少なくありません。
あるいは勝ち切る競走が苦手なだけで、そつのない走りで2着3着を的確に守り切る競走ができるタイプかもしれません。いずれも級別の判定基準となった期別成績から個性が見えてくるので、気になったら選手の詳細データを見てみることをおすすめします。


B1選手は最も数が多いボートレースのボリュームゾーン

B1級はボートレースを楽しめば楽しむほど、最も目にすることになる級別です。一般戦で戦うボートレーサーのほとんどがここに属していますが、時にはA1選手やA2選手を食い破るジャイアントキリングを見せるところに、ボートレースの楽しさがつまっています。
B1選手は数が多いからこそ、なぜB1級に甘んじているのかを推理する必要が生じるケースがあります。何しろ勝率だけ見たら5点台や6点台といったA1A2に入るべき選手もおり、好配当の使者となることもしばしばです。
この傾向は、男子選手も女子選手も変わりません。むしろ女子選手のほうが男子との混合競走では「ナメられる」傾向にあるので、配当的な妙味が増します。
女子選手は「おとなしい」と揶揄される競走をする選手がいるのも事実ですし、体重が軽い傾向からも競り合いで不利なのもまた事実です。
しかし、その体重の軽さはすなわち直線での滑走力の高さを示すとともに、大きな声では言えないながら、「重量級のパワフルな女子選手」の存在にも注目すべきです。これはまた男子選手でも同じことで、本来は不利なはずの大きめの体重を活かし、ダイナミックな戦い方を見せることが往々にしてあります。

【B1級になるための条件】
・勝率2.00以上
・事故率0.70以下
・最低出走回数50回以上
・これらの条件を満たしてA1級またはA2級を除いた勝率上位の選手

B1級の条件は、このとおりです。言ってしまえば「普通のボートレーサー」が3番目の級別になる、ということになるでしょう。A1級が20%、A2級が20%と人数の比率が決められてきて、B1級はいきなり50%にもふくれあがるからです。
ただし、社会における「普通の人間」を定義できないように、ボートレーサーにもまた普通は存在しません。選手によって得意な水面、得意な天気、得意な相手、得意なコース、その他あらゆる要素が存在します。
この級別で特に気をつけるべきは、「伸び盛りの若手選手」と「特定条件でとてつもなく強い選手」でしょう。
前者はまだ名前がトップレーサーほどに売れておらず、ネームバリューだけで買うファンはほとんどいません。たとえボートレーサー養成所で優秀な成績であっても、本番の水面ではベテランたちに跳ね除けられるのがボートの世界です。
そして、そのような先入観の間隙を突いて、ゴールデンルーキーは好配当を次々に提供してくれます。大活躍をする選手はたちまちルーキーシリーズで頭角を現し、G2競走やG3競走、さらにはG1競走である地区選でも活躍するので、一気に舟券が売れるようになってしまいます。良い株は早めに見つけたいところです。
さらに、特定の条件を得意にしている選手は、万舟券の使者になる資格を秘めています。例えば、当地成績が抜群に良い、4コースから6コースまでのダッシュ戦での3連対率が良い、まくり戦が得意なために好エンジンを引き当てると抜群に強い、などといったパターンが考えられるでしょう。


B2選手にも「隠れA1選手」がいる!?

B2級は、ボートレーサー全体のわずか10%を占めるに過ぎません。そう聞くと落ちこぼれの集まりのように聞こえてしまうかもしれませんが、これは誤解です。
B2選手の大部分は、新人選手と休み明けの選手が占めています。新人選手は見習い期間を必ず6コース進入で統一するため、確かに舟券絡みは少なくなります。抜群のスタートセンスと勝負勘を持っているビッグタレントでない限り、しばらくは5着6着が仲良しの存在になるでしょう。
では、新人選手以外はどうなのか。B2選手を語るにあたって、ここが肝心です。B2になる条件を見てみましょう。

【B2級になるための条件】
・A1級、A2級、B1級以外の選手

非常にシンプルです。A1、A2、B1、上記の条件をいずれも満たさなかった選手がB2級として4番目の級別を与えられます。デビューしたての新人がB2になるのは、もちろん出走実績がないからにほかなりません。
では、気をつけなければならない存在とは何か。すなわち長期のフライング休み明け、あるいは女子選手限定で産休明けの選手です。また、ごく少数ではありますが、懲戒処分としての出場停止を受けていた選手も含まれます。
つまり、どんなに一流の選手であっても、最低出走回数50回を達成できない事情を経た場合、絶対にB2級からのやり直しになります。SGやG1で互角に戦っていた存在が、B2という隠れ蓑で一般戦に出てくるわけです。
もちろん、名前の売れている選手であれば、休み明けB2でも十分に舟券は買われます。しかし、決してメインストリームでない選手の場合、休みになった理由にも左右されますが、侮られる傾向があります。良い配当というものは、往々にしてこのような状況下で生まれます。
A1選手でも、いわば職人肌の選手は地味で、舟券が名前だけでは売れないパターンもあります。この場合は「隠れA1」としての舟券の妙味も出てくるため、積極的に舟券予想に取り込みましょう。
また、隠れA2や隠れB1でも、条件が整っていれば激走がありえます。級別が力を示しているからこそ、その表記を信用しすぎることの危険さを、「一時的なB2級選手」は教えてくれます。


舟券予想では級別も気にしてみよう

級別はボートレーサーの力量を示し、多くの競走を高い次元でまとめる集中力とタフネスを表すバロメータとしても活用できます。全体の20%に入るのはまさしくプロ中のプロであり、グレードレースのあっせんを受けるためにも、ボートレーサーたちは常にその高みを目指しているといえるでしょう。
そうした級別だからこそ、舟券予想では有効な活用方法がいくつもあります。A1級なのに侮られている選手、A2級やB1級で強いのに人気が上がらない選手、B2級ながらも真の実力はずっと上位の選手。いずれも人気と実力がずれているパターンからの波乱を引き起こします。
かくて、級別によってカテゴライズされているからこそ役立ち、また同時にそのカテゴリを疑うことによって、安易な多数派に流れることを避けられます。それはすなわち良い舟券を取る第一歩です。
級別を気にするようになれば、次第に選手の個性へも興味が湧きます。すると、個々の買い時が自然と見えてくるようになり、さらに良質なボートレースライフへと近づいていくでしょう。


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