【競艇醜聞】峰竜太選手が4ヶ月の出場停止!?何が起きたのかを徹底解説!

佐賀の峰竜太選手に、まさかのスキャンダル。よりによって、令和のボートレースにおける絶対的な中心選手に醜聞が起きた事実は、せっかくのボートレースの盛り上がりに水を差す出来事になってしまいました。

とはいえ、2022年2月末に起きた出来事について、詳しく知らない方もいらっしゃるでしょう。峰竜太選手がどういう経緯で、どのような処分を受けたのか。

この記事では、事件に詳しく迫るとともに、「インターネットが普及した今だからこそ」ボートレーサーのあるべき姿も踏まえて解説していきます。

目次


峰竜太選手は2021年のボートレースグランプリで「41億円事件」を起こしたが……

2021年の年末の総決算、優勝賞金1億円をかけた「ボートレースグランプリ2021(住之江競艇SG)」の優勝戦で、大事件が起きました。

このレースで、4号艇の瓜生正義選手がすばらしいツケマイを決めて優勝を果たすことになるのですが、強襲を受けた1号艇の峰竜太選手が動揺からか無理なターンに入り、ターンマークに衝突。彼が転覆した結果、次々に後続艇が接触する事態となりました。

結果、6艇中の4艇が競走中止という大アクシデント。完走だけでも数千万円の賞金がもらえるはずだった選手たちは、そのビッグボーナスを逃したのみならず、航走2艇によって3連単などの主要舟券が返還対象となり、ボートレース、ひいては競艇の歴史でワーストとなる41億円もの返還事案に発展してしまったのです。

当代随一の技術を持つはずの峰竜太選手が、まるで若手選手のようなミスを犯してしまったことについては、もちろんグランプリという舞台の重さもあるものの、やはり多くの非難が寄せられました。

2022年2月23日には日刊スポーツ三賞の授賞式があり、殊勲賞を受賞した峰選手はその場であらためて謝罪。「失ったファンもいると思う。取り戻していきたい」と決意を新たにしていました。

ですが、今回のスキャンダルは、このグランプリでの返還事案とはまったく別のところからやってきたのです。


2022年2月末に峰竜太選手にくだされた処分とは?

先の項目で触れた、日刊スポーツ三賞の授賞式から数日後の2022年2月末。峰竜太選手が、突然直近のあっせんを家事都合で欠場することが発表されました。

「この時期でもあるし、新型コロナウイルスに感染したのか?」

「それにしては、先々まですべて予定が消えていておかしい」

ファンが騒然となるなか、日本モーターボート競走会が発表を行います。そこには、褒賞懲戒審議会において、峰竜太選手に対して処分をくだすことが決定された旨が記載されていました。その内容は、実に驚くべきものでした。

● 2022年2月26日から4ヶ月間の出場停止処分
● 2023年8月までのボートレースメモリアルまでのすべてのSGからの選出除外処分

4ヶ月は、どんな競走にも出られない。戻ってきても、G1競走までには呼ばれる一方、華やかな最高峰の戦いであるSG競走には1年以上も出場を許可されない。

まことに重い処分です。SG競走に選出されないということは、当然に高額賞金をゲットできるチャンスが大幅に減るわけですから、賞金ランキングで上位に行く見込みが極限まで小さくなります。少なくとも、2022年と2023年は「下積み」を余儀なくされるでしょう。


なぜ峰竜太選手は出場停止になったのか

毎年のように「億」を稼いでいる峰竜太選手が、いったい何をしてしまったのか。それほど稼いでいる選手が褒賞懲戒規程に触れるようなこと、すなわちボートレースの公正性に触れたり、ボートレーサーとしての信頼を毀損するような行為をしたりなどと、容易には考えられません。

しかし、人生何が起こるかわからないものです。峰竜太選手は、以前よりファンを大切にする選手であるとともに、積極的にファンサービスをするスターレーサーでもありました。

まさしく「興行としてのボートレース」に欠かせない存在であるとともに、インターネットを良質に活用していた選手の1人といえたでしょう。

ですが、今回はまさしくそのファンとの距離の近さ、ファンサービスの精神の行き過ぎが、ボートレーサーとしては致命的な結果をもたらしてしまったのです。


ボートレーサーにとっての禁忌「予想家との接触」

峰竜太選手は、自身のYouTubeチャンネルを所有し、積極的に配信を行っていました。その内容はボートレースに関するもののみならず、リスナーとともにゲームをすることもありました。

この点、日本プロ野球における活躍に加え、メジャーリーグでも一流の実績を積み重ねるダルビッシュ有選手にも通じるものがあるかもしれません。

ただ、この距離の近さが、結果的に脇の甘さを招いてしまいました。

峰竜太選手は、FPS(ファーストパーソン・シューティング/主観目線のものを指す)でも特に人気のあるゲーム『Apex Legends(エーペックス・レジェンズ)』において、個人での大会を企画しました。

Apexは、2021年には世界中で1億7,500万人がプレイした、超メガヒットゲームです。いわゆるYouTuber、バーチャルYouTuber(VTuber)、Streamerといった表現者も含め、多数のユーザーが言語の壁を越えてプレイする環境ができあがっており、峰選手もしばしばこのゲームでファンと交流していたのです。

ただ、今回の大会を実施するにあたり、協賛者をTwitterにて募集。協賛すると名前を載せるなどの特典がもらえるために多くの人が応募するのですが、そのなかに「ボートレースの予想で金銭を受け取っている『予想業を行っている者』」がいたのです。

この事実が明るみに出たため、日本モーターボート競走会は褒賞懲戒審議会において、「峰竜太選手のルールに対する理解不足により、ボートレースの信頼を失墜させた」として、先の項目で紹介した罰を受けることになりました。


ゲーム大会というファンとの距離が近すぎる催し

予想家との金銭の授受がなぜいけないかは、説明するまでもないでしょう。予想家が予想したとおりに選手が走る、すなわち八百長をすることによって、公正競走の前提が完全に崩壊してしまうためです。

こうしたことから、ボートレーサーは養成所の養成機関、さらに都度の研修において、コンプライアンス遵守の徹底を叩き込まれます。

今回、峰竜太選手は積極的に予想家と接触し、八百長を持ちかけたわけではありませんでした。実際、相手が予想家と判明した時点で協賛金を返却し、宣伝のための画像も消去し、契約を破棄していたのです。

しかし、ボートレーサーは自らの立場を考え、ファンサービスの種類についても考えなければならないのは事実です。ゲーム大会を開くのは良しとしても、そこに金銭の授受が発生するシステムを構築したことが、今回の問題につながってしまいました。

何より、「年末に大きな損害を各所に与えた」後のすぐの醜聞で、さらに心証が悪くなった可能性も否めません。

SNSでは「猛省してください」「自粛期間にしっかり考えてください」といった厳しい意見から、「待ってるよ!」「峰がいないと面白くない」「応援し続けます」という温かい意見まで、様々な内容が飛び交いました。

これらの声にどう応えていくか。峰竜太選手の人としての真価が、2022年夏以降に試されることになるでしょう。


ボートレースの公正保持のために

2021年の持続化給付金の不正受給問題に続き、2022年も残念ながら不祥事が起きてしまったボートレース。他方、選手たちの戦いはその技術と個性が際立つことによって、ボートレース全体の売上は史上最高を記録しています。

ゆえにこそ、今回、日本モーターボート競走会は、断固たる措置でもって事にあたったともいえるでしょう。もちろん、一方では「処分が甘すぎる」という声があるのも確かながら、協賛金を返却するなど情状酌量の余地があったことも事実であり、再起の道を与えるのは妥当であると考えられます。

令和の今、選手とファンの距離は大いに近くなりました。だからこそ、グッと気を引き締めて、自分がどういった立場にあるかを自覚することが、より求められる時代になったとも言えるでしょう。

そして、峰竜太選手が水面に戻ってきて、その美麗なテクニックでファンを沸かせてくれることこそ、ボートレースにとって最大の貢献になるはずです。


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