【SG競走】ボートレースメモリアル2022(浜名湖競艇SG)の見どころ総解説!

SG競走ボートレースメモリアル、その2022年開催が、8月23日(火)から8月28日(日)までの日程で、ボートレース浜名湖において開催されます。

夏の終わりに催される盛大な祭典は、いったいどのようなレースなのか。その概要や歴史を解説するとともに、過去の名勝負、今回の開催地である浜名湖水面の攻略法、今回のドリーム戦を構成する有力選手たちの情報をまるごとお届けする内容を詰め込みました。

ハズレ無しのレースが繰り広げられるボートレース最大の「夏祭り」を楽しむおともに、ぜひこの記事をご活用ください。

目次


ボートレースメモリアルはSG競走「モーターボート記念」

ボートレースメモリアルは、2014年から採用された通称名称です。「ボートレース」が「競艇」であったころから使われている正式名称は「モーターボート記念競走」であり、賞典名も含めると「総務大臣杯争奪モーターボート記念競走」という名前になります。

モーターボート記念は「MB記念(えむびーきねん)」と略されることもあり、レース実況などでも愛称として定着していました。これは「グランドチャンピオン決定戦」の「グラチャン」と通じるところがあるでしょう。

モーターボート記念は多くの先進的な取り組みが行われてきたSG競走でもあり、2002年にはSG競走としては初めてナイター開催が行われました。この時の開催地は、愛知県蒲郡市のボートレース蒲郡。まさしく、歴史の先端で道を切り開いてきたSG競走です。


ボートレースメモリアルの歴史に残る名勝負「モーターボート記念2000(若松競艇SG)」

ボートレースメモリアル、ひいてはモーターボート記念にもまた、歴史に残る名勝負がありました。特に語り草となっているのが、若松競艇場で開催された2000年の開催でしょう。

「モーターボート記念2000(若松競艇SG)」は、当時の競艇らしく、レース前からコース取りが入り乱れる展開となりました。当時はまだ「持ちペラ制」の時代であり、伸び型、回り型、出足型のプロペラが、選手によって大きく違ったのも影響したでしょう。優勝戦の参加選手と、実際の進入コースは以下のとおりです。

1コース:1号艇・山室 展弘
2コース:5号艇・大嶋 一也
3コース:3号艇・今垣 光太郎
4コース:2号艇・服部 幸男
5コース:6号艇・西島 義則
6コース:4号艇・小菅 文隆

「持ちペラ制が極度に競艇を難しくし、玄人しか予想できないものにしている」と言われ、2012年に廃止されることになるわけですが、その好例たる進入といえるでしょう。

今のボートレースとはまるで違う、艇番と相違した無秩序なコース進入は、もちろんそれはそれで面白さがあるわけですが、カジュアルな舟券購入には障害となるのも間違いありません。

しかし、重要なこととして、ボートレースも競艇も、そのレースの熱さは決して変わらないのです。加えて、このレースはまさしく伝説になる戦いでした。上記からもわかるとおりの野心に満ちたコース進入の末、レースはスタートから1周目1マークまでバチバチの駆け引きの応酬。

ついには、1マークでインを突いた6号艇西島義則選手の差し込みが光り、1着へと突き抜ける結果となりました。1着の西島義則選手に続き、2着は5号艇の大嶋一也選手、3着は3号艇の今垣光太郎選手。

3連単は2000年10月に新登場だったため、2000年8月当時は2連単が主力舟券でしたが、6-5の2連単は21番人気の5,470円。30通り中の21番人気ですから、もちろん波乱の決着です。蒲郡には悲喜こもごもの声が響いたことでしょう。

偉大な事実として、この競走で優勝した西島義則選手は、同年グランドチャンピオン決定戦、オーシャンカップ、モーターボート記念とSG競走を3連勝。これはほかに野中和夫選手しか達成していない記録であり、2022年8月現在でも野中選手と西島選手のみの栄光である、伝説的なレコードとなりました。


ボートレースメモリアルの出場資格は単純明快!

ボートレースの各SG競走は、独自の出場資格を持っています。その中でも、ボートレースメモリアルの出場資格は非常にわかりやすいものです。「前年の優勝選手1名」「前年のグランプリ優勝戦出場選手6名」「今年のオーシャンカップの優勝選手1名」が優先出場となるのは、容易に考えられる要件でしょう。

ボートレースメモリアルの選出基準の肝はここからで、「開催場を除いた全ボートレース場(23場)から推薦された選手2名ずつ」が出場選手となる点です。各支部が誇るエースレーサーが選抜されるというのは、ちょっとした全国対決のような趣きで、とても明快なコンセプトといえるでしょう。

なお、開催場は残りの枠を希望選手で埋めることが可能です。自場の人気選手を使うほかにも、興行に有利なレーサーを選ぶことで、売上を上げるための手腕が試されるというわけです。


近年のボートレースメモリアルの優勝選手はこちら

2014年に「ボートレースメモリアル」の通称名称を冠して以降、8回の開催が行われました。各回の優勝選手は以下のとおりです。

2014年(若松):白井 英治(山口)
2015年(蒲郡):篠崎 元志(福岡)
2016年(桐生):菊地 孝平(静岡)
2017年(若松):寺田 祥(山口)
2018年(丸亀):毒島 誠(群馬)
2019年(大村):毒島 誠(群馬)
2020年(下関):寺田 祥(山口)
2021年(蒲郡):原田 幸哉(長崎)

白井英治選手と寺田祥選手、山口支部の2枚看板の強さが光ります。また、群馬の毒島誠選手がナイターに強いところを存分に発揮し、丸亀と大村で制覇しているのも印象的。昨年は原田幸哉選手が11年9ヶ月ぶりにSG制覇を達成し、大いに話題になりました。

まさしく思い出になるシリーズとなるボートレースメモリアル。今年はどのようなドラマが繰り広げられるのでしょうか。その鍵となるのは、舞台となる浜名湖の水面と、今回の主力メンバーとも言えるドリーム戦に出場する6名の精鋭たちです。それぞれ項目別に見ていきますので、ぜひとも最後までお付き合いください。


2022年のボートレースメモリアルの舞台!浜名湖水面の特徴は?

ボートレース浜名湖は、その名の通りに静岡県湖西市、浜名湖の西岸に位置するボートレース場です。浜名湖の湖面につくられたコースは穏やかなプール水面で、水質は淡水と海水が入り混じった汽水であり、より海水に近い柔らかい性質であると語られています。

この静水面を制するためのポイントを知っていれば、より有効な舟券の組み立てが可能になるでしょう。当地のSG開催は2018年のボートレースクラシック以来。記念すべきこのシリーズをより楽しむための水面特性は、2つの要点に絞ってお届けします。


浜名湖水面の要点その1:浜名湖の夏はイン受難!1コースでも安心できない怖さ

夏季の浜名湖水面の1コース1着率は51.5%。これは全国平均の55.8%を大きく下回る数字であり、イン受難水面と言ってしまっていいでしょう。

原因として考えられるのは、やはり浜名湖水面が静かで走りやすいコンディションゆえに、外の艇がさまざまな戦術を幅広く選択しやすい点。スロー艇にせよダッシュ艇にせよ全速戦を挑みやすく、イン逃げを難しくしています。

一方、そうしたスピードに乗りやすい水面だからこそ、スタートの上手さは着順に直結します。ポンとスタートが決まれば、あとは人気薄であっても独走可能。それが浜名湖水面の特性なのです。


浜名湖水面の要点その2:夏の浜名湖おトク舟券!狙いたいのは3コース

1コースが受難ということは、必然的に他のコースが有利になります。夏の浜名湖で特に目立つのは、3コースの1着率の高さでしょう。2コース14.6%に対し、3コース14.4%。全国平均では2コースがより大きく優越にしているにもかかわらず、浜名湖では3コースが2コースを逆転しそうな勢いです。

したがって、必然的に狙い目となるのが3コースに入りやすい3号艇。浜名湖の出目出現率には3号艇が数多く出現し、いずれもおトクな配当となって、ファンを沸かせてくれています。

静かな水面ゆえにこそ、3コースや5コースからのまくりレース、あるいはまくり差しレースが狙いやすいのが浜名湖の特色。好モーター、スタート勘抜群、当地成績優良選手、こうした要素に該当する選手がいたならば、ぜひ好配当を狙ってみたいところです。


夢はどこまでも広がる!2022年ボートレースメモリアルのドリーム戦メンバー

2022年のボートレースメモリアルにおいても、初日(8/23)の最終レース、第12Rにドリーム戦が組まれました。全国各地から集まった「我が支部の最強クラスの2人」のなかでも、特に際立った技量を持つ6人による夢の戦いは、最高の盛り上がりを提供してくれることでしょう。

1号艇:瓜生 正義(福岡)
2号艇:白井 英治(山口)
3号艇:平本 真之(愛知)
4号艇:毒島 誠(群馬)
5号艇:馬場 貴也(滋賀)
6号艇:原田 幸哉(長崎)

ドリーム戦メンバーは、上記の6名です。全国各地から集まったSGタイトルホルダーたち。その実力に疑いの余地が入ることなどありえないスターレーサーたち。果たして、誰がこのシリーズを引っ張る存在になるのか、最近の調子を軸に見ていきましょう。


1号艇:瓜生正義(福岡/3783)

昨年のボートレースグランプリの覇者である、福岡の瓜生正義選手。今回のドリーム戦でも1号艇となりました。風格も技術も十分。あとはインが決して強くない浜名湖であっても、そのイン逃げを決めるだけです。

3節前には「オーシャンカップ2022(尼崎競艇SG)」に参戦。予選2位通過を決めて準優勝戦1号艇を手に入れながらも、3号艇の徳増秀樹選手がフライングを切った影響もあり、4着に敗退。非常に悔しいシリーズになってしまいました。

それでも、SG制覇の実力は当然に持っていることを示したと言えるでしょう。2節前と前節は住之江と芦屋の一般戦に出場。無理のない走りとはいえ、質の高い競走をファンに見せてくれました。

かくて迎える大一番。コンディションは良好。あとは1番手でゴールを駆け抜けるだけです。「正義のヒーロー」は西からやってきて、見事な戦いを見せてくれるでしょう。


2号艇:白井英治(山口/3897)

2号艇には山口の誇る「関門のホワイトシャーク」、白井英治選手が入りました。今年最もSG競走で悔しい思いをした選手、そのように形容してしまってもいいでしょう。ファンもまた悲しみましたが、何より本人が例えようのないほどの後悔に苛まれたことは間違いありません。

5月、人気投票によって出場選手が選ばれる祭典、「ボートレースオールスター2022(宮島競艇SG)」が開かれました。予選2位通過を果たした白井選手は、予選1位通過の磯部誠選手が準優勝戦で敗れる波乱もあって、優勝戦では1号艇をゲット。久々のSG制覇が目前に迫ります。

ですが、そこに立ちはだかったのが、まさしく準優勝戦で磯部選手を食い破った長崎の原田幸哉選手でした。3号艇3コースからの絶品の一撃に、白井選手は屈してしまいます。あと少しのところから、こぼれ落ちていった栄光。その悔しさを晴らす良薬は、SGの勝利以外に存在しません。

2節前の「黒神杯争奪戦(徳山競艇一般)」こそ落水からの欠場で心配されましたが、前節の「Hayashikane杯 お盆特選(下関競艇一般)」では元気な姿を見せたのみならず、オール2連対での見事な優勝を飾りました。怪我などの心配もなく、堂々と浜名湖へやってきます。


3号艇:平本真之(愛知/4337)

どうにも、波に乗れない。愛知ならびに常滑の誇りである平本真之選手は、まさに苦境に立たされています。もちろん、その手腕はなおも一流であり、トップクラスの走りを見せてくれてはいるのですが、劇的な優勝という結果には結びついていません。

直近の優勝は、昨年10月の「ボートレースダービー2021(平和島競艇SG)」までさかのぼる必要があるほどです。それだけ高いレベルで戦っているとはいえ、本人にも思うところはあるでしょう。

3節前の「第4回ボートレース甲子園(下関競艇G2)」では予選18位タイで、ギリギリの予選落ち。5日目の一般競走でようやく節間1着を取ったものの、口惜しい結果に終わりました。さらに、2節前の「オーシャンカップ2022(尼崎競艇SG)」では2日目のレースでエンストし、完走できず。

予選の4日間で3勝をマークしたものの、5着と6着が1回ずつ、そしてエンジントラブルによる不完走が響き、予選20位でまたも準優勝戦には進めず。勝てども上へ進めない悔しさを味わいました。

前節の地元常滑の企画シリーズである「名鉄杯争奪2022納涼お盆レース(常滑競艇一般)」も優勝候補の一角ながら、シリーズ中にいささか大きい着を叩き、さらに準優勝戦では3着敗退。

同じ愛知支部で、今年8年ぶりのSG制覇を達成した池田浩二選手が同開催でも優勝したのに比べ、光と影といった格好になってしまいました。

それでも、平本選手のポテンシャルが発揮されれば、SGクラスであることは間違いありません。同じ東海地区に属する浜名湖開催のSG競走。波に乗れるかどうかは、ドリーム戦が大きな鍵を握っています。


4号艇:毒島誠(群馬/4238)

群馬の毒島誠選手が、すでにこのボートレースメモリアルを複数回制している事実は、すでに先の項目で述べたとおりです。今回の浜名湖で実施されるボートレースメモリアルはナイター開催ではなくデイ開催ですが、毒島選手は昼のレースでも強いことを、すでに今年の年明け、「全日本王座決定戦2022(芦屋競艇G1)」の制覇で示しました。

3節前の「第4回全国ボートレース甲子園(下関競艇G2)」では準優勝戦5着敗退、さらに2節前の「オーシャンカップ2022(尼崎競艇SG)」では予選3位通過1号艇ゲットからの準優勝戦4着敗退と、悔しい結果が続きました。

しかも、直近の前節「創刊150周年記念第56回報知新聞社杯お盆レース(桐生競艇一般)」では、なんと初日の1走目にまさかの勇み足。痛恨のF1をつけてしまう失敗を犯してしまいます。

小さい着順を集められることからも調子は悪くないながら、状況はやや厳しいところ。ハンデを背負った立場でどのようにドリーム戦を、ひいてはボートレースメモリアルを戦うのか。

2013年の第59回大会とあわせ、3回もこのボートレースメモリアルを制している現役屈指の毒島選手が、大きな勝負どころを迎えています。


5号艇:馬場貴也(滋賀/4262)

どのコースだろうと油断できない勝負強さがある。そうした語られ方をする選手がいます。その代表例が、滋賀支部の馬場貴也選手です。このドリーム戦では5号艇に入りましたが、たとえこの色のカポックであっても、その攻めの気配はいささかも衰えることがないでしょう。

今年は「戸田プリムローズ2022(戸田競艇G1)」を制し、その存在感をなおも堅持しています。3節前の「第4回ボートレース甲子園(下関競艇)」でも堂々の優出。さすがに力のあるところを見せました。

2節前の「オーシャンカップ2022(尼崎競艇SG)」では無念の予選落ち。予選期間は1勝を挙げつつも、ほかの大きい着に泣きました。とはいえ、同節に当選したモーター63号機は、3連対率36.99%というかなりの低率モーター。言葉を選ばなければ「大外れ」を引いた結果と言えるため、まだ挽回は可能でしょう。

浜名湖では2回の優勝歴があり、うち1回は3号艇3コースからのまくり一発による逆転優勝でした。今年、ボートレース界の主役とも言えるほどに活躍し続けている滋賀勢が、このドリーム戦、ひいてはボートレースメモリアルでもその頂点を奪い取るかもしれません。


6号艇:原田幸哉(長崎/3779)

彼はどこまで成長し続けるのでしょうか。10月には47歳の誕生日を迎えることになる、長崎の原田幸哉選手は、白井英治選手の項目でも話したとおり、なんとSG競走での逆転優勝を果たしました。時は5月、「ボートレースオールスター2022(宮島競艇SG)」でのことでした。

昨年、出場権を手に入れたばかりの「マスターズチャンピオン2021(下関競艇PG1)」を制してから、「徳山クラウン争奪戦2021(徳山競艇G1)」、「ボートレースメモリアル2021(蒲郡競艇SG)」と、その勢いは決して衰えるところがありません。

今年、「ボートレースメモリアル2連覇」の快挙に挑めるのは、この原田選手のみです。ドリーム戦こそ6号艇ながら、決して軽視できたものではないでしょう。

近走の結果も上々。3節前には「KBCラジオ杯 モーヴィ芦屋オープン1周年記念(芦屋競艇一般)」をオール3連対で制しました。準優勝戦では1号艇ながら、復帰してきた佐賀の峰竜太選手に2号艇2コースからの差しを受けて2着。これによって優勝戦は4号艇4コースになったわけですが、意趣返しともいえる絶品の差しレースでの逆転優勝です。

超一流は、コースを選ばないのか。そんな気にさえさせてくれる、「わくわくさせてくれるレースといえばこの人」の境地に達した原田選手。きっと、このボートレースメモリアルでも、最高のパフォーマンスを見せてくれるに違いありません。


記録にも記憶にも残るボートレースメモリアルへ!

私たちは数多の思い出を背負って生きています。その思い出の数だけ、人生は、そしてボートレースは楽しくなるとさえ言えるかもしれません。であればこそ、今回のボートレースメモリアルもまた、私たちに最高のメモリーを、思い出をくれることでしょう。

今回、なおも続く新型コロナウイルスの感染拡大防止対策のため、準優勝戦のある5日目(8/27)と優勝戦の行われる最終日(8/28)、この両日は事前抽選の当選者に送られた「当選ハガキ」がないと入場できません。

また、それ以外の日程、初日から4日目までも感染拡大防止対策への全面的な協力が求められます。無事の開催に協力するため、当地では係員の方々の指示に従いましょう。

すばらしい戦いを美しい記憶にすること。それは優しさと気遣いによって成り立ち、何にも勝る最高の応援になります。一流の戦いは、一流のファンによって支えられる。それを証明するシリーズにもなるでしょう。

「さぁ、歴史を塗り替えろ。」

そのうえで、公式が語るこのキャッチフレーズの通りに、ボートレースの歴史に残る戦いを最適な形で見届けること。それこそ、2022年でも指折りの思い出になるのです。


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