【若武者頂上決戦】ヤングダービー2022(多摩川競艇PG1)は今年も激戦必至!最注目は連覇を目指す羽野直也!

ヤングダービー。それは「競艇」が「ボートレース」へと歴史を刻んでいくなかで生まれた、非常に若いプレミアムG1競走です。今回の舞台は「日本一の静水面」であるボートレース多摩川。全24場でも屈指の走りやすさを誇るこの水面で、ダイナミックな戦いが展開されることになるでしょう。

最大で16回も出場可能になった、この若手最強決定戦。しかし、今なお連覇した選手はいません。そうしたヤングダービーとは何であるかの概要を含め、今回の注目選手や楽しいYouTube中継情報などをまとめてお知らせしていきます。

目次


2022年のヤングダービーはボートレース多摩川で開催!

2022年、第9回となるヤングダービーは、東京都府中市是政にあるボートレース多摩川で開催されます。

1954年に開業して以来、地名に準じて「是政水面」としても親しまれたこの水面は、若手選手にとって最も力を発揮しやすい舞台と言えるでしょう。先にも述べたとおり、「日本一の静水面」は伊達ではないからです。

ほかの場に比して標高が高く、それだけでも走りやすい環境。水面が波立つことすら稀で、同じ東京都にある江戸川の激流などとは比べようもありません。

水質は淡水で、すなわち海水よりも固いはずなのですが、それを差し引いても余りある「走りやすさ」が多摩川の魅力であり、数多の選手たちが口をそろえる美点です。

そうした走りやすいコースでは、多くの若手選手の魅力である全速戦が生きやすいのがポイント。まさかまさかの逆転劇は、開催初日から最終日まで、ファンの心を熱くしてくれることでしょう。


ヤングダービーの概要と近年の結果を振り返ろう

第1回のヤングダービーは、「競艇」が「ボートレース」への革新を果たした2014年に始まりました。2013年まで行われていた若手選手の最強決定戦である「新鋭王座決定戦」に代わる存在でありながら、これら2つの競走は明確に区別されます。なぜなら、その出場資格が大きく違うためです。

ヤングダービーは「開催年の9月1日時点において、満30歳未満の選手」が対象となります。無論、男女の性別は問いません。そのうえで前年度優勝者、当年のイースタンヤングおよびウエスタンヤングの優勝者が優先出場となり、あとは勝率において優秀な若手が選出されます。

一方、2013年まで行われていた新鋭王座決定戦の出場資格は、「デビューから6年未満の選手」というくくりでした。したがって、ヤングダービー以上に間口が狭かったわけですが、それでも、このレースを制するだけの力を持った選手は、のちのちSGやG1のビッグタイトルを次々に勝ち取っていったのです。

例えば、現在でもトップレーサーとして活躍する原田幸哉選手、瓜生正義選手、田村隆信選手。石野貴之選手、毒島誠選手、茅原悠紀選手などが歴代優勝者に名を連ね、最後の開催となった2013年も、やはり今なお多くのファンを沸かせる福岡の篠崎仁志選手が優勝しました。

プレミアムG1競走たるヤングダービーは、さらなる「英雄として名乗りを上げる場」になることが期待されていますし、すでにその宿願に応えている選手が複数出ています。以下の項目で、どういった面々が過去のヤングダービーを勝ち抜いたのかを確認していきましょう。


2021年は福岡の羽野直也が威風堂々と駆け抜けた!

2014年:桐生 順平(埼玉)
2015年:松田 祐季(福井)
2016年:松田 大志郎(福岡)
2017年:中田 竜太(埼玉)
2018年:関 浩哉(群馬)
2019年:永井 彪也(東京)
2020年:磯部 誠(愛知)
2021年:羽野 直也(福岡)

2014年から2021年までのヤングダービーの歴代優勝者は、上記のとおりとなります。第1回からしてSGタイトルホルダーである桐生順平選手を輩出したところに、このヤングダービーの誉れが詰め込まれていると言えるでしょう。

前回開催となる2021年はボートレース徳山で行われ、福岡の羽野直也選手が圧巻の走りによってVを飾りました。優勝戦で決めたスタートは、6艇中最速のコンマ07。1号艇1コースのこれ以上ない発進から、2コースと3コースが凹む壁なし展開もものともせず、見事な逃げ切り勝ちを収めたのです。

2着は2018年の優勝選手である群馬の関浩哉選手、3着には羽野選手と同じ福岡支部の所属である中田達也選手が入りました。徳山の地にて、福岡の俊英が躍動した大会だったと言えるでしょう。

なお愉快なことには、昨年開催時点での羽野選手は26歳、関選手も26歳、中田選手は28歳でした。したがって、この3選手は今年も本競走に顔をそろえています。彼らは優勝候補と呼んで差し支えない存在であることは明白。その点について、以降の項目で見ていきます。


2022年のヤングダービーの公式レース展望が認めた注目選手とは?

シリーズを展望するにあたって、大いに参考になるのが「公式レース展望」です。今回のヤングダービーにおいても例外ではなく、ボートレース多摩川が3人の選手を優勝候補としてピックアップしました。

本命選手:羽野直也(4831/福岡)
対抗選手:関浩哉(4851/群馬)
地元イチオシ:宮之原輝紀(4939/東京)

それが上記のような面々です。前項で挙げたとおり、2021年のワンツー組が、今年も若手戦線の「王」たる資格を持っていると、公式が認めました。

さらに、この多摩川をホームとしている東京支部の宮之原輝紀選手が推されている点に、またひとつの面白みが隠されています。

実際、これら3選手はどういった実績を持っており、最近の調子から優勝を狙える存在であるのか。各項目ごとに分けて、じっくりと分析していきましょう。


本命選手:羽野直也(4831/福岡)

「出場メンバーのうち、今期適用の勝率が最も高いのはSGでも存在感を示す羽野直也」とレース展望でも示されているとおり、昨年の優勝者である羽野直也選手には、やはり大きな期待が寄せられています。

2014年デビューの114期生で、実は当初は有望株というわけではありませんでした。デビュー初勝利の水神祭を味わったのは、11ヶ月後のホーム水面若松でのもの。これは前途多難かと思いきや、9ヶ月後の初優出を経て、2016年7月には初優勝を達成。

そこからメキメキと頭角を現し、2017年6月には「太閤賞2017(住之江競艇G1)」でG1初出走を果たし、さらに3ヶ月後の「ヤングダービー2017(蒲郡競艇PG1)」でG1初勝利。そして、わずか1ヶ月後の「海の王者決定戦2017(大村競艇G1)」でG1初優勝を果たしました。

しかも、インが絶対的に有利な大村で、地元の大黒柱である原田幸哉選手のイン戦を相手にしながら、コンマ06のトップスタートで優位を構築してからの差し切り勝ちを決めたのです。SGタイトルホルダーを打ち負かした、これ以上ない「価値の証明」でした。

その勢いをもって、年末の「ボートレースグランプリシリーズ2017(住之江競艇SG)」でSG初出走を果たし、シリーズ4日目にはSG初勝利を挙げました。3年後の「グランドチャンピオン2020(宮島競艇SG)」では、ついにSG初優出を達成。とても20代とは思えぬ壮絶な成長は、「羽野直也」の名前を多くのボートレースファンに知らしめました。

そうして、昨年の「ヤングダービー2021(徳山競艇PG1)」を制し、加えて今年も地元周年である「全日本覇者決定戦2022(若松競艇G1)」で優勝。現在、G1タイトルを3つ保持しており、「羽野選手が若手枠なのって反則じゃない?」と無茶な感想さえ浮かんでしまうほどです。

こうなれば、目指すは今なお誰も成し得ていないヤングダービー2連覇でしょう。前節の「福岡チャンピオンカップ2022(福岡競艇G1)」でも大きな着を叩かず、節間2勝。予選12位タイで準優勝戦進出こそ逃してしまいましたが、調子は上々です。

公営競技の聖地府中市にありて、多くのファンに愛され続ける「是政」の水面で、堂々たる連覇へ向けた戦いが始まります。


対抗選手:関浩哉(4851/群馬)

偉業を成し遂げる若者というのは、彗星のごとく現れるものです。それは才能に加え、熱烈な努力が積み重ねられた賜物と言えるでしょう。群馬の関浩哉選手こそ、そうした表現がよく似合う存在です。

関選手は2014年11月にデビューし、3ヶ月後の2015年2月には初勝利を挙げました。喜びの水神祭から半年後にの8月には初優出を達成しますが、そこからが苦難の道のり。あと少しが届きません。

1,600名前後いるプロのボートレーサーの中でも、「優勝」の輝きに達することができるのはほんの一握りだけ。その現実に何度打ちのめされたことでしょう。

しかし、関選手は諦めず、その激烈な目覚めの時までの研鑽を欠かしませんでした。その初優勝の時は2018年9月24日に訪れます。G1初出走は同年9月19日、初勝利も9月19日、初優出は9月24日で、初優勝も9月24日です。

おわかりですか?

関浩哉選手は成し遂げました。G1初出走となった「ヤングダービー2018(浜名湖競艇PG1)」の初日レースで3号艇3コースからのまくり差し勝利を決めると、1着3回と3着2回の破竹の勢いで快進撃を見せて予選2位通過。

しかも、予選1位通過の仲谷颯仁選手が準優勝戦で4着に敗れる波乱があり、優勝戦では1号艇を獲得。

迎えた優勝戦は、これがヤングダービーのラストチャンスとなる松尾充選手がすぐ横の2号艇。まさしく仲谷颯仁選手を絶品の差しでくだした勢いで、優勝戦での逆転優勝を狙っています。

ですが、当時23歳の関浩哉選手は、恐れませんでした。関選手が1コースから踏み込んだスタートはコンマ02。フライングまで100分の3秒まで踏み込んだ度胸からの完璧なターンで、圧巻の優勝ランへと突き進みました。

加えて言うなら、生涯初優勝がG1初優勝となった関選手は、今年、2022年に大きな飛躍の時に入りました。「ツッキー王座決定戦2022(津競艇G1)」を含む、6つの開催で優勝。山崎智也選手というレジェンドが電撃的に引退した群馬支部にとって、大きな希望を届ける存在となりました。

2節前の「日刊スポーツ杯争奪第32回マリンキング決定戦(常滑競艇一般)」で優勝し、前節の「スポーツニッポン菊花杯(浜名湖競艇一般)」でも優勝戦2着の準優勝。心身は充実し、時は満ちました。昨年の借りを返すため、多摩川へとやってきます。


地元イチオシ:宮之原輝紀(4939/東京)

羽野直也選手に関浩哉選手と、すでにG1を複数勝っている若手選手を紹介してきて、さあ、地元期待の宮之原輝紀選手です。ただ、彼はまだG1未勝利であるというと、「格落ちか?」と思われるかもしれません。

ご安心ください。実績面ではまだG1を勝っていないものの、能力面から「必ずやビッグタイトルを勝つであろう」と熱烈な期待を寄せられている。それが宮之原選手です。東京支部の「隠しきれていない隠し玉」と言えるでしょう。もはや一流選手として遜色ない力を見せつける戦いを、特に、この2022年は見せつけてきました。

そのすごみを一文で表しているのが、公式のレース展望でしょう。すなわち「今年は3月の江戸川から、6月津イースタンヤングの翌節・児島、さらに前回7月多摩川まで、9連続優出と破竹の快進撃を続けた」というものです。

「優勝戦を見れば、必ず宮之原がいる」

ボートレースという「勝ち続けるのが難しい競技」において、これがどれほどすごいことであるか、より深くこの競技を見続けてきた方ほどおわかりになるでしょう。

このヤングダービーへも、トライアルG3競走である「イースタンヤング2022(津競艇G3)」を制して駒を進めてきました。

2016年5月にデビューし、わずか2ヶ月後には初勝利で水神祭。翌年の2017年11月に初優出を果たし、さらに年を越えて2018年6月に初優勝を達成しました。2019年にはG1競走に初出走、初勝利、ならびに初優出まで到達しており、キャリアを順調に積み重ねています。

デビューしてから現在までに2つのG3開催と7つの一般戦で優勝しましたが、うち4つは今年、2022年に積み重ねられたものでした。先の「9開催連続優出」と加えて考えても、いよいよ才能が開花したと見ていいでしょう。

地元東京には、江戸川、平和島、多摩川と3つのボートレース場があります。無論、宮之原選手のキャリアにおいて、この3つが出場節数のトップ3を占めています。デビューしてから苦しいこともあったでしょうが、それにも勝る喜びを得てきた水面でもあります。

キャリアが浅い若手戦にとって、水面での経験の差は大きなものとなります。念願のG1初制覇の栄誉に輝けたなら、宮之原選手は誰もが知る「トップレーサー」へと覚醒を果たすことになるでしょう。それが成るや否やという面からも、注目の選手です。


コロナ禍を吹っ飛ばせ!充実のボートレース多摩川公式チャンネルYouTube生配信!

2022年夏、日本国内で始まった新型コロナウイルス(COVID-19)の第7波はようやく終息へと向かい、いよいよ世界とともにウィズコロナへと歩み始める流れになってきました。

それでも、この恐るべき感染病が消えたわけではなく、インフルエンザのように定期的なワクチンによって安心を得るまでは、まだいくばくかの時間が必要となるでしょう。

したがって、このコロナ禍で発展したYouTubeによる発信は、今回もまた盛大に行われる予定です。もとより、ボートレース多摩川は豊富な「楽しくてタメになるライブ中継」をインターネットで実践してきました。その方針は今回も変わりません。

● どちゃんこTV(9/21・24・25)
● 裏どちゃんこTV(9/20・22)
● 推理スペシャル!!(9/23)

ボートレース多摩川の公式YouTubeチャンネルでは、これらの番組配信が予定されています。いずれもボートレース公式のプレーンなレース中継とは一味違い、エンタメ色満載で届けられることになるでしょう。

また、秋分の日で祝日となる9月23日は、「艇王」こと植木通彦選手と、「通算2,302勝の闘将」熊谷直樹選手、2人のレジェンド選手を迎えた豪華な特番が予定されています。

2人あわせて3,864勝、SGは12個、G1は31個。絢爛豪華な「生ける伝説の競演」は、オールドファンにも存分に楽しめる内容になるでしょう。9月23日10時15分ごろからの配信開始が予定されているため、ぜひボートレース多摩川の公式YouTubeチャンネルをチェックしたいところです。

参考資料:ボートレース多摩川【公式】 – YouTube
https://www.youtube.com/channel/UC4lvZQUptR8m5VDSu49xCGQ


現地観戦はウィズコロナ!感染拡大防止対策を忘れずに

今年のヤングダービーに関しては、すでに開門時刻や無料送迎バスの運行時刻が発表されています。初日は9時10分、2日目以降は9時30分の開門。無料送迎バスは「府中本町駅」始発が8時30分、「多磨霊園駅」始発が8時35分で、いずれも以後10分から20分間隔での運行の予定です。

大きな入場規制も特に予定されていませんが、先の項目でも示したとおり、新型コロナウイルスは「かかって苦しい病」かつ「後遺症がひどい病」であることに変わりはありません。

本場内ではもちろんのこと、バスや電車といった公共交通機関を利用する際においても、マスク着用を心がけましょう。

一方、厚生労働省が新たな指針として示したとおり、ソーシャルディスタンスが確保できる場所ではマスク着用を強いられることもなくなりました。残暑も厳しいさなかです。熱中症などに気をつけながら、すばらしい開催を楽しみましょう。

参考資料:マスクの着用について – 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kansentaisaku_00001.html


「日本一の静水面」で「日本一の若き才能」が輝く時が来た!

プレミアムG1は、限りなく「SGへの可能性を引き寄せる戦い」でもあります。未来を勝ち取るシリーズであるヤングダービーにおいては、よりその性格は強まると言えるでしょう。

賞金王という至高の場所へ、年間最優秀選手の輝きに手を届かせるため、命懸けで走る若武者たちが、是政の静水面を駆け抜ける秋の宴。「あの時から、その走りに惚れ込んだ」という「人生に響く」出会いがあるかもしれません。

開催期間は2022年9月20日(火)から9月25日(日)まで。9月19日(月・祝)の敬老の日でご高齢の方々を敬い、それから流れるように若き才能のきらめきに熱狂する。詩的ですらあるこの流れに乗らずして、令和4年の秋は存分に堪能できません。


コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。